地下なのに? 首都高「山手トンネル」は、なぜ雪で真っ先に通行止めとなるのか
関東地方でも大雪となった2024年2月5日、東京都心部の首都高で真っ先に通行止めとなった路線のひとつが、C2中央環状線の「山手トンネル」区間です。なぜトンネルなのに通行止め措置が取られるのでしょうか。
過去にも立ち往生が発生している
2024年2月5日(月)、大雪となった首都圏では昼頃から、高速道路が順次通行止めとなり、やがて帰宅ラッシュも重なり道路では大渋滞が発生しました。首都高速道路でも、3号渋谷線や4号新宿線の下りなどから通行止めが実施されましたが、これらと期を同じくして早期に通行止めとなったのがC2中央環状線の西側、全長約18kmにも及ぶ「山手トンネル」区間です。
実は山手トンネルは、雪の際に真っ先に通行止め措置が取られる区間のひとつ。地下トンネルなので雪が積もるはずはありませんが、なぜでしょうか。
それはトンネルそのものではなく、地上との接続部分である出入口が危険だからです。地下深くを通る山手トンネルへは、その出入口で高架から急坂でアプローチします。坂道に積雪すればクルマはスタックしやすくなりますし、さらに凍結すればスリップ事故の危険性が生じます。
実際、山手トンネルでは2018(平成30)年1月、3か所で立ち往生が発生。西新宿JCTから大井JCTまで12kmにおよび、解消まで10時間を要しました。原因のひとつは、西新宿JCTの地下から高架へ上がる地点で、大型車がスタックしたことによるもの。大型車はチェーンを付けていましたが、急勾配を上りきれなかったのです。
今回の通行止めも、過去の教訓があってこその措置だといえそうです。丸1日が経過しても継続されていますが、高架地点は地熱がない、高層ビルの影になり雪が解けにくいといった首都高特有の問題があり、一般道に比べて通行止め時間が長くなる傾向があります。
【了】
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