有人の攻撃ヘリに未来ナシ? 開発“ドタキャン”のアメリカ軍 でもよくあること…?
気づいていたドローンの台頭
そのような中での開発キャンセル。産業界にはショックが広がったと思われそうですが、意外にもキャンセルのニュース自体は冷静に受け止められています。ショックなのはキャンセルされたことではなく、タイミングが2025会計年度予算の発表される数週間前だったということ。開発に携わる各社は、2025会計年度もプログラムが進行すると見越して経営計画を立てていたからです。
キャンセルの理由として、ロシア・ウクライナ戦争などでドローンが急速に発達し、有人ヘリコプターの有用性が疑われたことが挙げられています。しかしロシア・ウクライナ戦争の前からFARAプログラムの将来性については懸念がもたれており、いつキャンセルが決断されるかということが密に話題となっていました。
日本では、防衛省が2022年12月に出したいわゆる「安保3文書」の防衛力整備計画の中で、攻撃ヘリコプターと偵察ヘリコプターの全廃を打ち出して波紋を広げていましたが、有人の攻撃・偵察ヘリコプターの将来は明るくないというのは、世界的にも共通した認識だったようです。
FARAプログラムが立ち上げられて以降のドローンの急発達ぶりは、軍や産業界の予想をも超えていたようです。有人ヘリコプターは今後も輸送などでは使われ続けるでしょうが、一世を風靡した攻撃・偵察ヘリコプターというコンセプトがドローンに駆逐されるのは、時間の問題になってきたといえそうです。
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