だから減便するしかない「バスの2024年問題」市民の足直撃 働き方改革 カギ握る“1時間の差”

2024年春、全国でバス路線の大幅な減便・廃止が進みます。背景にあるのが「バスの2024年問題」。労働規制の強化に人手不足が重なっただけでない問題が、今まさに市民の足を直撃しています。

だから「大幅減便」せざるを得ない路線バス

 まず路線バスの分野です。路線バスでは多くの営業所で「交番制」が定着しています。「今日が15番ダイヤなら、明日は16番ダイヤ、明後日は公休(休日)」という風に勤務シフトがローテーションで回るのです。交番は余裕を持って作られるので、それ自体への影響はあまりないと考えられます。

 ただ大手私鉄系事業者などでは有給休暇消化率が軒並み95%を超えており、むろんそれ自体は評価すべきですが、ただでさえ人手不足の状況なので誰かが安めばダイヤに「穴」が空きます。公休者に休日出勤を、あるいは早番の人に残業を、遅番の人に早出勤を依頼して穴を埋めることが常態化しています(もちろん休日出勤手当、残業・時間外労働手当の対象です)。

 この「穴埋め」の際、各乗務員の前後の日の出退勤時刻を従来以上に気にする必要があり、運行管理者の大変さが思いやられます。

 また、泊まり勤務が中心の営業所では、交番表そのものの変更が必要になりそうです。泊まり勤務は「午後出勤→仮眠→午前勤務」が基本で、会社としては夕方と朝のラッシュ時に必要な乗務員数を確保でき、乗務員から見ると1回の出勤で2日分の勤務をこなせるので自由になる時間が多いという評価があります。しかし今後は仮眠時間の延長が必要となるため、深夜と早朝のダイヤ維持が難しくなります。

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路線バス・高速バス双方が集まる営業所の例。他社の高速バスも含め、乗務員の休息の拠点となっている(乗りものニュース編集部撮影)。

 高速バスでも、泊まり勤務となる、片道350km(所要時間6時間)前後の東京~名古屋線、仙台線などでダイヤの組み換えが必要になりそうです。これらの路線は「朝7:00ごろ発、昼着」「夕方16:00ごろ発、夜着」「深夜23:30ごろ発、翌朝着」の3つの時間帯の需要が大きく、かつ、乗務員もこれらのダイヤを2日で往復するパターンが定着していました。

 例えば「午後に出勤して夕方発の東京→名古屋を乗務。宿泊(仮眠)後、翌朝に名古屋→東京を乗務して昼過ぎに退勤」や「早朝に出勤して東京→仙台。午後は仮眠。仙台深夜発→東京。早朝着でそのまま退勤」というパターンです。これで2日分、勤務した扱いになります。

【規模がスゴ…】バスが一気に「25%以上減便」する都市とは?(画像)

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