ロシア空軍に大打撃?「貴重な目」また墜落か ウクライナ軍が撃墜と発表

かなり貴重な機体です。

前線から離れた場所でA-50早期警戒管制機が墜落か

 ウクライナ国防省情報総局は2024年2月24日、ロシア空軍のA-50早期警戒管制機を撃墜したと発表。墜落したA-50の航跡図も公開しました。

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ロシア空軍のA-50早期警戒管制機(画像:ロシア国防省)。

 A-50は、目標検知や味方戦闘機の指揮などを主な任務とする軍用機で、機体に大きなレーダードームを搭載していることが外観上の特徴です。ロシア空軍にとっては広域を見通す「目」であり、価格も非常に高価な虎の子とも言える存在です。
 
 A-50は2022年2月のウクライナへの全面侵攻開始以降、その広い探知範囲を活かし、ロシア空軍の航空作戦にレーダー監視能力を提供してきました。ただ配備されている機数は10機に満たず、喪失が確実であればかなりの打撃となります。
 
 公開されたA-50の航跡図を見ると、アゾフ海に面したロシア本土のクラスノダール地方上空を飛行していたことが確認でき、速度表示が0km/hになった地点で墜落したとみられます。墜落地点は前線からやや離れた場所です。

 ウクライナ国防省は、1月にもロシア空軍のA-50を撃墜したと発表しており、今回の戦果が確実であれば2機目の撃墜となります。ただ、どのように撃墜したのかは明らかにしていません。
 
 ウクライナメディアの「ウクラインスカ・プラウダ」は、軍情報筋の話として、1960年代に旧ソ連が開発したS-200地対空ミサイルでA-50が撃墜されたと報じています。一方、ロシア側の軍事ブロガーは、今回の撃墜は味方の誤射によるものという見方を強めているようです。
 
 1機目のA-50が撃墜された1月時点で、イギリス国防省は「ロシアが今後、A-50の運用地域の再検討を迫られる可能性が高い」と指摘。また、「当面は運用上の影響をカバーできるものの、残っている機体にかかる負荷は増し、長期的な任務の持続可能性が制約される」と分析していました。
 
 イギリス国防省は、ロシア軍がウクライナ軍が導入予定のF-16戦闘機に対抗するため、広い探知能力を持つA-50をS-400地対空ミサイルの目標検知に活用し、防空能力を向上させようとしているとも指摘していました。ただ相次いでA-50が失われる中、機体の喪失はこうしたロシア側の作戦にも影響を及ぼす可能性があります。

【了】

【画像】確かに墜落してる...これがロシア早期警戒管制機が撃墜された瞬間です(航跡図)

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