JR貨物が“この期に及んでも”業績低迷の理由 鉄道こそ救世主「2024年問題」目前 起死回生の秘策とは

貨物列車は「脱炭素」「SDGs」「人手不足」「2024年問題」といった課題を解決する輸送手段として注目されていますが、一方でJR貨物の業績はさえないのが現実です。その同社が今後を見据えて仕込む“秘策”とは何でしょうか。

「同じ荷物で行き先も同じ」がスピードアップのカギ握る

 まず「ブロック」とは、「ブロックトレイン」の略で、「専用貨物列車」または「ユニットトレイン」とも呼ばれます。

 同じ荷物の貨車だけで編成された貨物列車で、しかも決められた出発地と目的地(仕向地)を、直行定期便として往復します。

 貨物列車は通常、途中数か所の貨物駅に立ち寄り、荷物の積み下ろしや、貨車の連結・切り離しを行いながら、最終目的地を目指します。

 ただ、この方式は効率良く荷物を運べる反面、輸送時間(リードタイム)が非常にかかるという難点を抱え、「スピード輸送」が当たり前の現在では、徐々に時代遅れになってきています。

 そこで大幅に時間を短縮できる“切り札”として期待されるのが、ブロックトレインです。

 出発地、目的地ともに貨物輸送の大きな需要が見込まれる場合は、この区間で貨物列車をノンストップで走らせて時間短縮を目指します。

 途中駅で荷物や貨車の入れ替えを一切行わず、貨物列車1編成が丸ごと一つの塊(かたまり)のように「閉塞」されることから、これを表す英語「block(ブロック)」を冠しています。石油類を積むタンク車だけで編成された貨物列車を見かけますが、これはまさに製油所と特定の貨物駅を往復するブロックトレインの代表格です。

 実はJR貨物は以前から、主に事業者向け(BtoB)に、比較的大きい荷物を載せたコンテナ貨物のブロックトレインを運行しています。

 しかし前述のように、ネット通販(EC)の急拡大による消費者向け(BtoC)荷物の輸送需要の激増や、「2024年問題」への“切り札”として、2020年代に入ってから特にブロックトレインに力を入れています。

 2022年春から始まったサービスはその好例で、26両編成のコンテナ貨物列車のうち、10両ずつを日本通運と全国通運の“専用貨車”としてそれぞれ貸し切りとし、残る6両前後を一般向けに振り向けるというものです。

 首都圏の圏央道や国道16号沿いに乱立するEC向けの大規模物流センターで集荷された個人向け荷物などを、埼玉県の越谷貨物ターミナル(タ)駅から出荷し、約600km離れた大阪府の百済タ駅まで運び、大半の荷物を降ろします。

 ここまでが厳密な意味でのブロックトレインですが、これだけではもったいないので、同じ列車を活用。吹田タ駅(大阪府)~神戸タ駅(兵庫県)~姫路貨物駅(同)まで延長輸送(継送)し、定期便として往復するというものです。

 越谷タ~姫路貨物間は約650kmで、今までのダイヤでは、東京タ駅を経由して新たなコンテナや貨車を追加するため、24時間以上かかってしまいます。

 しかし、ブロックトレインの導入で16時間20分台、実に8時間以上の時間短縮を実現しています。

【写真】日本最大! 広大な貨物ターミナル駅を空から見る

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