これぞ “沈黙の艦隊” ? 人呼んで「幽霊艦隊」&「骸骨乗組員」有事になったらゾロゾロ蘇る!?
ハワイにもいるぞ! 幽霊艦隊
NRFが生まれたのは、今から100年以上前の1912年のこと。このとき、アメリカ海軍は、太平洋と大西洋にそれぞれ予備艦隊を創設しました。初期の予備艦隊は、有事に備えて艦齢を重ねた旧式艦を一時的に保持しておくための艦隊で、所属する多くの艦艇はそのままスクラップに回されることも多かったものの、稀に当初の任務とは異なる用途に改造されて再就役することもありました。
しかし世界規模の総力戦となった第2次世界大戦が終結すると、同大戦中にアメリカが量産し運用した艦艇多数が、戦争が終わったことで一挙に予備艦隊へと回されました。なお、同大戦の終結直後は、太平洋予備艦隊が第19艦隊、大西洋予備艦隊は第16艦隊と称されていた模様です。
それから80年近く経った2024年現在、非活性化された軍艦は、海軍非活性艦艇整備施設(Naval Inactive Ship Maintenance Facility)と称される場所に係留されています。この施設は、ペンシルバニア州フィラデルフィア、ワシントン州ブレマートン、ハワイ州パールハーバー、これら3か所の港湾に設けられています。
なお、同施設に収容された軍艦は、次のいずれかのメンテナンス・グレードにカテゴライズされます。
まず「カテゴリーB」は、将来再び動員される可能性があるため、予算面で折り合いがつく範囲内で、設備や機能のアップグレードを施しています。続く「カテゴリーC」は、予算に余裕がある範囲内でアップグレードが施されますが、実情は現状の維持が中心となるケースがほとんどのようです。そして「カテゴリーD」は、現状維持の状態での保管になります。
一方、「カテゴリーX」は海軍艦籍簿から抹消された艦艇です。そのため、最終的な処分が決まるまで、最低限の保管処理となる防湿と腐食防止が施される程度だとか。さらに「カテゴリーZ」には、最終処分を待つ原子力推進艦やその支援艦艇など、主に放射能の影響下にあった艦艇が含まれます。
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