「しゃべるトンネル」効果アリ!? 中央道「小仏トンネル」の渋滞緩和につなげた“ちょっとビックリする”秘策とは
ちゃんと声に導かれていました!
国内初の取り組み「音声による渋滞対策」効果アリ
中央道の有名な渋滞ポイントとして知られる東京・神奈川都県境の「小仏トンネル」、ここで行われている「音声による渋滞対策」が効果を上げているようです。
小仏トンネル区間の上り線では抜本的な渋滞対策として「新小仏トンネル」を含む別線を建設しての車線増設事業が行われていますが、並行してソフト対策も行われています。その一つとして2019年から行われているのが、トンネル内に設置した「指向性スピーカー」を使った速度回復情報の提供です。当時は国内初の取り組みとされていました。
「速度が低下しています。渋滞防止のため、速やかに速度回復願います」
このような音声が、渋滞時の小仏トンネル上り線を通過中に流れてきます。トンネル内で長い上り坂が続くことによる速度低下が渋滞の一因になっていることから、ドライバーへ気づきを与えて、少しでも渋滞を緩和しようというわけです。
トンネル内に設置された「指向性スピーカー」は、特定方向に絞って音を届けることができる装置で、音の拡散が抑えられるので車内にも音声がハッキリと聞こえます。なお、渋滞時以外は音声は流れません。
これにより、渋滞が発生する直前の「渋滞発生時交通量」が約6%増加し、より多くの車両が通過できるようになり渋滞が発生しにくくなったほか、渋滞中を流れている「渋滞中捌け交通量」が約4%増加、渋滞の長さや時間が短くなり、渋滞解消も早くなったということです。
導入前(2018年)と導入後(2019年)とで全体の交通量は1%増加したにもかかわらず、こうした効果が発現したことから、対策が渋滞緩和に寄与していると分析されています。
トンネル付近では従来から、情報板や看板で速度回復をうながす文言を表示していたものの、それらは道路の左側にあるため、右側車線を走っているドライバーには目に留まらない場合がある、とNEXCO中日本八王子支社は話していました。ちなみに東名では、横浜町田ICランプの急カーブにおける事故対策として、「この先、急カーブ」という音声を流し、事故を減らしたという実績もあります。
【了】
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