「四国の玄関口」なぜこうも衰退したのか フェリー100往復→ゼロ テーマパーク失敗 失われた50年に光は【後編】

本州における「四国への玄関口」であり、「造船」で栄え全国でも重要な都市だった岡山県玉野市。100往復あったフェリーが10年でゼロになるなど、急速な衰退に直面しています。瀬戸大橋開通前から現在までの“失われた50年”を追います。

「宇高航路は諦めていない」 明るい兆しを活かせるか

 玉野の造船は現在、護衛艦や巡視船などを建造する三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場と、舶用エンジンを生産する三井E&S舶用推進システム事業部玉野工場に分かれています。

 こうして激動の歴史を歩んできた玉野市ですが、明るい要素もあります。三井E&Sの舶用エンジン事業は好調ですし、「電気運搬船」の開発や定置用蓄電池の製造などに取り組むスタートアップ企業「パワーエックス(PowerX)」は同市に国内最大級規模の蓄電池工場「Power Base」を建設中です。

 観光面では、宿泊施設の整備も進んでおり、2022年3月に玉野競輪場に併設したホテル「KEIRIN HOTEL 10」がオープンしました。また、“現代アートの聖地”で近年は移住希望者が増加している直島へはフェリーと旅客船が運航しており、瀬戸内国際芸術祭の玄関口として発展する余地はあるでしょう。

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四国汽船の「せと」「あさひ」。直島経由高松行きの航路は健在だ(深水千翔撮影)。

 玉野市は宇高航路について「経済活動、災害対応の観点からも地域に不可欠なインフラ」と位置付けており、運航再開を諦めていません。人やクルマを大量に輸送でき、環境負荷の軽減につながる船舶の活用が注目されている今こそ、宇野と高松を結ぶ航路について検討し直す時期が来ているのではないでしょうか。

【了】

【信じられん…】四国の玄関「宇野駅」かつての姿と今(写真)

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1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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