安全性懸念の「ボーイング737」もう限界? 古い基本設計、繰り返された魔改造… “選択肢”は他にもある

見えてきた「ボーイングで最も売れた旅客機」の限界

 初代737は1967年に初飛行。以来、737シリーズは、57年にわたり、脈々とその歴史が続いてきました。

 ただこの間、エンジンの進歩が燃費向上・出力増加をもたらし、胴体も延長することが業界的に一般的になりつつあり、737シリーズもこれで乗客数を増やしてきました。しかし、改良は何度も行われていたものの、基本設計のなかにはそのまま踏襲せざるを得ない部分もあります。

 たとえば、主翼の位置が低いことです。初代737は乗客の乗り降りと荷物の積み下ろしを容易に行えるよう胴体の位置が低くなるよう設計されました。そのため、初期タイプのエンジンはパイロン(主翼とエンジンをつなぐパーツ)を介さず、直接主翼に取り付けられました。

 しかし、後に737シリーズは、この主翼の低さがエンジンサイズを制限してしまうことになります。

 近年、ジェット旅客機のエンジンは、大型であるほど燃費効率が上がる傾向にあるものの、現在の737シリーズではこれ以上直径の大きなエンジンを装備することができません。

 そのようななか、737の比較的新しいモデルでは、特殊なエンジン形状を用いて、十分なスペースを確保する取り組みを行いました。エンジンナセル(カバー)の下部を地面と平行になるように平らな形にし、「おむすび型」のような形状に変形させたのです。

 とはいうものの、エンジンナセルと地面のクリアランス(離隔)が少ないことは、横風に弱いことを意味します。というのも、横風の中では着陸時や離陸時に風向きに合わせて機体を傾ける必要があるからです。

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