飛行機にも「車検」がある!? しかも “民間車検場”まで存在!? ただし受けなくていい集団も
自衛隊機は適用除外
航空会社で運用されているものや、国土交通大臣の認定を受けた整備規定により整備をするものを除く一般の航空機では、耐空証明の有効期間は1年となっており、機内に耐空証明書をほかの必要書類とともに備え付けることが義務付けられています。
この点も公道走行時は携行が義務付けられる車検証と同様といえるでしょう。なお、他国では有効期間が複数年におよぶ場合もあるようで、国情によって異なる模様です。
ちなみに、日本の耐空証明は日本の国籍を有する(日本で登録された)航空機でなければ受けることができない、という国籍主義を採用しています。これは他国も同様で、必ず登録した国の耐空証明を受ける必要があります。
ただし、自衛隊が保有する航空機については、独自の安全基準が適用されています。これは、自衛隊法第107条に航空法第11条(有効な耐空証明を受けていない航空機の飛行禁止)の適用を除外すると明記されているからで、代わりに防衛大臣が国土交通大臣と協議したうえで定めるとなっています。
この点も、自衛隊の車両が一般の車検ではなく、独自の保安基準によって整備・検査が実施されているのと一緒です。
地面を走るクルマは故障しても止まることができますが、航空機の場合は墜落してしまうため、安全性の確保はクルマ以上に重要といえます。一定期間ごとに安全性を証明する耐空証明は、航空機になくてはならないものだといえるでしょう。
【了】
Writer: 咲村珠樹(ライター・カメラマン)
ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。
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