攻撃ヘリ「アパッチ」が戦闘機代わり!? 驚きの用途で使う国とは 理由を聞いたら地理的に納得?

確かに対空ミサイル積めるけど…

 シンガポール空軍のAH-64D「アパッチ・ロングボウ」のパイロットは、その任務について次のように説明してくれました。

「我々のアパッチの主任務は、この機体の開発コンセプトと同じ対地攻撃です。しかし、それだけでなく、副次的に領空防衛もあり、空中目標を攻撃することも想定しています」

 冒頭に記したように、「アパッチ・ロングボウ」は攻撃ヘリコプターのため、基本的に地上目標へ攻撃を加える目的で各国とも導入しています。対空戦闘用として胴体中央のスタブウイングの翼端にAIM-92 ATAS(空対空スティンガー)ミサイルを搭載可能ですが、それはあくまでも自機に敵機が迫った時に使う、いわゆる自衛用としてのものです。

 つまり、空対空戦闘はこの機体の本来任務とは異なるのですが、それでも敢えて使う理由とは何でしょうか。パイロットは次のように説明してくれました。

「アパッチは我々が運用している戦闘機、すなわちF-15SGやF-16などと同様の飛行高度まで上がることはできません。しかも、飛行速度もずっと遅いです。ですから、このヘリコプターで戦闘機を相手にすることはできません。我々が対処するのはそういった機体ではなく、もっと低く低速で飛ぶ小型機や無人機(ドローン)などです」

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シンガポール空軍が公開している本土防空用の戦力イメージ。右端に戦闘機と一緒にAH-64Dが描かれている(布留川 司撮影)。

 じつは低速で飛ぶ小型機や無人機は、超音速でも飛べる戦闘機にとっては「遅すぎ」て対処しづらい相手となります。しかも、無人機については昨年から続くロシアとウクライナの戦争において双方が多用しており、実際に戦争が起きた場合、かなり現実的な脅威になることはほぼ間違いありません。「アパッチ・ロングボウ」でこれに備えることは軍事的に合理的な考えともいえるでしょう。

 加えて、この機体が防空任務に使えるのは、シンガポールの国土が狭いことも理由のひとつに挙げられます。この国の広さは東京23区とほぼ同程度でしかなく、航続距離や速度が遅いヘリコプターでも充分に任務にあたることができるのです。

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