常磐線史上“最速”! 定期列車より速い臨時特急を運行へ あの駅この駅とにかく飛ばす!!

停車駅では「はつかり」の方が少ないが…

 そしていわき駅を8時30分に出発した「相馬野馬追号」は、再び途中無停車で走り、終着の原ノ町駅へ9時26分に到着します。同区間の所要時間は56分、表定速度は83km/h。定期列車最速の「ひたち13号」は、広野、富岡、大野、双葉、浪江の各駅に停車し1時間4分、表定速度72.6km/hですから、「相馬野馬追号」がかなり速く走ることになります。

 トータルで見た場合でも、東京~原ノ町間で「相馬野馬追号」は3時間10分運転、表定速度は92.4km/hとなります。定期列車では「ひたち13号」の3時間26分(表定速度85.2km/h)が最速なので、16分も早いことになります。

 なお、常磐線で歴代最速の定期特急は2000(平成12)年の「スーパーひたち15号」で、上野~原ノ町間を3時間6分(表定速度93.3km/h)で走りました。「相馬野馬追号」は同区間をこれより短い3時間4分(表定速度94.3km/h)で走りますから、「常磐線史上最速」の臨時特急といえるのです。

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常磐線初の特急「はつかり」に使われた43系客車(安藤昌季撮影)。

 ちなみに所要時間ではなく停車駅だけで見るなら、常磐線で初めて運行された特急「はつかり」が、上野~仙台間で水戸、平(現・いわき)にしか停車しなかったので、より停車駅が少ない列車ということになります。

 1958(昭和33)年に登場した特急「はつかり」は、上野~平(現・いわき)間を最速3時間1分(表定速度70.1km/h)で走りました。「相馬野馬追号」の上野~いわき間は2時間6分(表定速度100.7km/h)ですから、「はつかり」は敵わないとはいえ、最高速度95km/hの蒸気機関車牽引列車としては相当に速い印象を受けますね。

【了】

「なんと...!」これが臨時「相馬野馬追号」のダイヤです

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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