たった1編成JRに存在した「先頭だけ普通車2階建て」 常磐線“丸い頭の415系”の教訓

JR常磐線にはかつて、先頭1両のみが普通車2階建てという列車が存在しました。本数はたった1編成、先頭車両の形式は「クハ415-1901」です。JR全体でも唯一無二といえる存在でしたが、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

2階建てが、中間車ではなく先頭車

 2021年現在、東海道線や宇都宮線といった首都圏のJR中距離電車には、中間に2階建て車両が組み込まれていますが、これらはグリーン車です。しかしJR東日本にはかつて、普通車ながら先頭の1両のみ2階建てとされた列車が1編成だけ存在しました。常磐線で使われた415系電車のうちK880編成です。そして、唯一の先頭車両は「クハ415-1901」という形式でした。

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JR常磐線を走る415系電車のK880編成。下り方の先頭車両「クハ415-1901」のみが2階建て。2003年10月、藤代駅にて(写真提供:『路面電車と鉄道の写真館』よっしー)。

 クハ415-1901は試作車として1991(平成3)年に製造。沿線が東京への通勤圏である常磐線は当時から、特に通勤ラッシュ時の輸送力増強が課題でした。取手以北~上野間の主力車両だった415系はもともと、クロスシートや3扉といった要素を持つ近郊形車両です。

 ほかの路線を見ると、例えば東海道線にはグリーン車であるものの、2階建ての211系電車が組み込まれていました。収容力のある2階建て車両を常磐線にも応用できないか、クハ415-1901はそのような背景で誕生したのです。

 この車両は先述の通り、特別な料金券が不要な普通車として運行されました。しかし2階建て車両は輸送力こそ増すものの、その車体構造からドアは片側2か所に減少しました。また、狭い車内に階段や通路があるため、乗降には時間がかかります。そのため、停車駅の少ない通勤快速としたり、通勤ラッシュのピークを外したりして運行されました。

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コメント

4件のコメント

  1. さみしい見方すると、この車ができた時から乗降に時間がかかるからラッシュ時に使えない。
    というデータがちゃんと重要視されてれば、215系はニートなどと呼ばれずにちゃんと働ける形式になった可能性があるよね。

  2. 岡山から高松を結ぶ快速マリンライナーはずっと現役で走ってますが・・・
    JRで唯一無二というのはどうなんでしょうか・・・

  3. 215系の車内はともかく、クハ415-1901の車内の写真は無いのですか…。

    記事のタイトルから思い出話にとどまらず、クハ415-1901の資料を取り揃えて発信して欲しいなと思いました。

  4. こんだけ「参考画像」置いといて(それも同じような構図のE531ガンガン載せて)、クハ415-1901の車内画像は1枚もないんですね……。