「これ軽だろ?高性能すぎる」 伝説のバケモノKカーが生まれた“時代” スズキの魂「アルトワークス」
まるでガンダム 初代アルトワークスを見る
静岡県浜松市の「スズキ歴史館」には、初代アルトワークスの最上位グレードとなるフルタイム4WDの「RS-R」が収蔵されています。すべてオリジナル仕様となる貴重な一台で、オーナーから寄贈されたもの。そのデザインとメカニズムは、まさにスズキのデザイナーとエンジニアの情熱の塊と言っても良いでしょう。
見る者を惹きつけるクールなエクステリアは、ガンダムルックなフルエアロ仕様となっていて、ボンネットの高性能エンジンに備わるインタークーラー用の大型フードエアスクープが特別なモデルであることを主張します。もちろん、これらエアロパーツはカッコだけではなく、空力性能を追求し、Cd値0.34を達成した本格的なものです。ボディ全体にステッカーチューンも施され、ワークスの特徴と性能を強くアピール。これも「TURBO」や「TWINCAM」デカールが流行した昭和らしい演出です。
さらに驚かされるのがインテリアで、大胆にピンクを取り入れたド派手なものとしつつ、スポーツカーらしい空間に仕上げているのは、お見事です。非対称デザインのバケットシートをはじめ、直径365mmの小径極太ステアリングやスポーツペダル、スポーツシフトノブ、レッドとブラック仕上げの2眼式メーターパネルなど――各部に専用アイテムが贅沢に施され、お手頃な軽ボンネットバンがベースであることすら、忘れてしまいます。
そのため、アルトワークスは価格も標準車と比べると高価となっていましたが、それでも、エアロレスとなるエントリーグレードのRS-Sが87.5万円、駆動方式がFF仕様で内外装がRS-Rと同等のRS-Xが97.5万円、フルタイム4WD の最上級グレードRS-Rが109万円。小型車のボーイズレーサーであったトヨタ「スターレットターボ」と比べても手頃でした。
女性ファン中心だった軽ボンネットバン市場において、高性能なスポーツモデルは、男性ファンを取り込む大きな武器となり、市場拡大にも貢献しました。
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