山陰→広島どう移動する? 鉄道は本当に歯が立たないのか 高速バス「みこと号」の実力
鉄道の方が早い区間がある
バスは斐伊川添いの県道26号を走りますが、堤防の上に道路があるような立地で面白いです。バスが通ると歩行者は歩けなさそうな道幅を、バスはスイスイ走ります。10時59分に雲南市の下熊谷バスセンターに停車した後、三刀屋木次ICより高速道路に入り、速度が上がります。ちなみにJR木次駅の近くですが、木次線はうねうねと曲がるのに対して、道路はまっすぐ。建設年度の差を感じます。
バスはたたらば壱番地、道の駅「たかの」(広島県庄原市)と停車しますが乗降はなく、12時11分に三次インターに到着。こちらもJR芸備線の三次駅(同・三次市)が近いです。ここから広島駅まで「みこと号」は1時間38分、芸備線快速「みよしライナー」は1時間22分ですから、やや鉄道の方が早いです。全区間では「のぞみ+やくも」より早いバスも、三次~広島間なら芸備線快速に軍配が上がります。
ここまで休憩なしで走ってきましたが、12時17分に「江の川パーキングエリア」に停車しました「カフェコーナー」という名前の自販機とトイレくらいしかない場所で、休憩時間も10分ほど。すぐに出発します。
さらに1時間ほど走り、高速道路を降りて大塚駅バス停(広島市安佐南区)に停車します。大塚駅はアストラムラインの駅です。ちなみに、同じバス停からJR横川駅行きの路線バスが頻繁に運行されており、例えば宮島口などに向かうなら、ここで乗り換えるとショートカットできます。
広島の市街地に入ると交通量が増え、広島駅新幹線口に到着したのは13時49分でした。2024年3月現在は6往復が運行されている「みこと号」。使い方次第ではとても便利だと感じました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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