戦闘機の“火の玉”どうバラ撒くの? F-15のパイロットに聞いた 炎の温度は驚異の2000度!

シンガポール航空ショーでF-15SG戦闘機がデモ飛行の際に「フレア」という火の玉を連続射出していました。使い方についてシンガポール空軍パイロットのハナシを聞いたら、バリエーション豊富な射出方法を教えてくれました。

「小指で押す」か、それとも「ひっぱたく」か?

 では、実際にフレアとチャフの投下操作はどのように行われるのでしょうか。それは機体によって異なります。

 F-15SGの場合は、パイロットはスロットルの左側面にあるスイッチで操作することが可能で、場所の関係から小指、すなわちピンキーで操作するために「ピンキー・スイッチ」という愛称で呼ばれています。

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デモ飛行の最後にフレアを投下しながら垂直上昇するF-15SG(布留川 司撮影)。

 一方、「トップガン マーヴェリック」を見ると、F/A-18「スーパーホーネット」のパイロットたちは赤ボタンを拳で叩いてフレアを投下していました。これは「スラップ・スイッチ」と呼ばれるもので、本物のF/A-18はもちろん、空軍のF-16「ファイティングファルコン」にも装備されています。

 スラップとは「ひっぱたく」や「平手打ち」という意味があり、劇中のように荒っぽい使い方はある意味で正確といえるでしょう。これだと、突発的なミサイル攻撃を受けたときに素早くフレアやチャフを投下することができます。

 もっとも、投下に関しては、パイロットだけでなく機体側が自動で行うこともできます。フレアやチャフが装填された投射装置には自動モードと半自動モードがあり、機体のセンサー(相手のレーダー波を探知するレーダー警報受信機など)がレーダー照射やミサイルの飛来を探知した場合、その脅威度や状況に合わせて自動的にフレアとチャフを投下してくれるのです。

 映画ではミサイルの飛来をパイロットや他の編隊の仲間たちが目視で確認して警告を出していましたが、実際の戦闘で飛んでくるミサイルを人間の目、すなわち肉眼で見つけるのは難しく、このような自動モードも使われます。

 フレアはその見た目から、イベントを盛り上げるための演出的なものと考える人もいるかもしれません。しかし、実際にはただ花火のようにバラ捲く、というような簡単なものではなく、戦闘において本来の目的を達成するためには、専門的な知識と技術が要求される「軍用の装備品」であることがわかります。

【了】

【別名「天使の翼」です】航空自衛隊C-2輸送機のフレア投棄の様子(写真)

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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