映像が流出!? 中国の最新「攻撃ヘリ」見えた全貌 “ヘリは時代遅れ”を覆すか 見据える台湾
課題だったヘリコプター戦力の拡充
Z-21についてはまだ何も明らかにされていませんが、中国版UH-60ブラックホークともいわれる多用途ヘリコプターZ-20から発展したものと思われます。中国の軍事ブロガーによれば、Z-20と同じ動力装置とローターシステムを流用しているようで、開発リスク低減と期間短縮のためできるだけZ-20との共通項を多くしたとみられます。Z-21は2~3年で就役できるかもしれません。
胴体は外見上、Z-20よりもスリムになっており、攻撃ヘリコプターの標準的なタンデム座席配置となっているようです。自衛用チャフ散布装置や、電子戦用、通信用と思われるアンテナ類が見られ、エンジン排気管は赤外線放出を地上から検知されにくくなるよう上向きとなっています。
中国軍はヘリコプター戦力の拡充を課題としていました。現用のZ-10は初めての本格的攻撃ヘリコプターですが、原設計はロシアのカモフ設計局とされます。試験機ではカナダ製ターボシャフトエンジンPT6C-67Cが搭載されていたのですが、輸出規制のため量産機では国産のWZ-9を搭載せざるを得ず出力が落ちてしまいました。
Z-21の開発には、Z-20を担当するハルビン飛機工業集団と、Z-10攻撃ヘリコプターを生産する昌和飛機工業公司が関与していると報じられています。しかし、多くの技術がまだ輸入頼りというのが現状です。
Z-10は陸軍と空軍で採用されましたが、海軍は使用していません。水陸両用作戦を直接支援する攻撃ヘリコプターは海軍にも有用と考えられるものの、海軍陸戦隊の航空旅団にも海軍航空兵にも配備されていません。理由は不明ですが、Z-10では力不足と判断されたようです。
なお、Z-10はパキスタンが採用を検討し、「高温かつ高所の環境での出力不足」を理由に見送ったという経緯があります。その後、中国はヘリコプター用ターボシャフトエンジンの研究開発に努めました。Z-21のような大型機にも十分な出力を提供できるエンジンが完成したのか、注目です。
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