映像が流出!? 中国の最新「攻撃ヘリ」見えた全貌 “ヘリは時代遅れ”を覆すか 見据える台湾
決して時代遅れではない「有人ヘリ」
Z-21は台湾方面を睨んでいることは間違いなく、台湾海峡周辺にはヘリポートが建設されており、台湾有事ではヘリコプター部隊は重要な役割を果たします。建造が続く4万トンクラスの075型強襲揚陸艦に搭載され、水陸両用作戦の直接支援に当たる可能性が高いでしょう。さらに南シナ海の人工島、インド国境付近でも使えます。
中国は有人攻撃ヘリコプターの有用性を認めているようです。ロシアはウクライナ侵攻で、「空飛ぶ戦車」ともいわれるKa-52アリゲーター攻撃ヘリコプターを投入しました。戦争の初期段階では防空システムに引っ掛かり多くのKa-52が失われたものの、2023年の夏には電子戦との併用など適切な戦術を開発し、供与された西側戦車を含む多くのウクライナ軍戦闘車両を破壊する戦果を挙げたと、イギリス国防省は評価しています。使い方次第というわけです。
またイスラエルも同様で、AH-64Eアパッチを増勢しようとしています。対ハマス作戦では、ドローン攻撃による目標周辺への付帯被害が批判されており、対峙するハマスやアラブ武装勢力には有力な防空システムも無いので、ドローンを精密にコントロールする役割を持たせる(有人・無人機チーミング)ことを考えているようです。
台湾有事では陸海空の様々なアセットが動員され、システムとして運用されるでしょう。空にも様々な固定翼機、ヘリコプター、有人機、無人機が投入されると見られ、Z-21もそのひとつに過ぎません。使えるアセットの量と種類は多ければ多いほどよい、というだけのことかもしれません。
【了】
Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。
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