踏切の「第2種」「第3種」って? 事故相次ぐナシナシの「第4種」 フル装備「第1種」との違い

レアな第3種踏切、都心で発見

 この第3種踏切は、個人宅に通じる場所にあります。つまり、踏切道を渡るのは居住者もしくは親戚や友人といった来訪者、郵便や新聞配達といった事業者などです。それほど多くの往来があるわけではないでしょうが、一方の都電荒川線は本数が多いため、第4種というわけにもいかず、しかし遮断機を設置するスペースもなく、第3種踏切に落ち着いたのでしょう。

 第4種踏切は冒頭で触れたとおり、警報機も遮断機もない踏切です。戦後もしばらくは、踏切の安全性という概念は希薄でした。安全性への機運が高まったのは、時代が高度経済成長に差し掛かった頃。当時はマイカーが増え、踏切の安全対策が社会問題として浮上したからです。

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富山地方鉄道不二越線の稲荷町~栄町間にあった、踏切保安係が配置されていた第1種乙踏切(2009年、小川裕夫撮影)。

 法整備などもあり、1961(昭和36)年当時は全国に約6万6000あった第4種踏切は、2021年に2408まで減少しています。ただ、上信電鉄には踏切が134あり、そのうち45か所が第4種踏切だそうです。これは特に地方の路線が抱える問題でもあります。

【了】

激レア「第3種踏切」都心にあり(写真)

Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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