世界唯一の乗りもの「スカイレール」ついに廃止 “合理的な交通手段”のはずが普及せず 強みは弱みにも
部品メーカーの廃業が決定打に
2010年以降も、長崎市で観光用として検討されたものの、最終的にはスロープカー(法律上はエレベーターに分類される簡易的なモノレールの一種)が採用されています。
導入数が増えなければ維持管理コストはどうしても高くなってしまいます。それにより、営業収支が悪化。加えて車両や軌道、橋脚などの部品を製造する会社も廃業したことでメンテナンスなどにも支障が出るようになり、最終的に廃業することになったのです。
代替交通手段として用意されたのは電気バス。2022年11月にバス輸送への転換が決まると、中間駅のみどり中街駅前を含めて停留所の整備が行われ、芸陽バスによって3月30日から運行が始まっています。
運賃はスカイレールが大人170円だったのに対して、電気バスは200円と30円高くなりましたが、停留所が10か所以上設けられたため、多くの住民にとってはスカイレールよりも乗降場所での利便性は高まっています。
公共交通機関として、世界唯一の存在で終わったスカイレール。今後は電気バスが住民の新たな足としてニュータウン各所と瀬野駅を結びます。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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