ロシアで「見世物」にされる期待の西側戦車 なぜ? ドローンの猛威に顕在化するウクライナの“呪縛”

ウクライナの戦場でアメリカから供与されたM1戦車が撤退している――AP通信の記者によるSNS投稿です。ウクライナの国営報道機関は否定していますが、憶測が広がっています。ただ、旧ソ連流教義のまま西側兵器を扱うのは無理があるようです。

ウクライナ軍は西側兵器をどう思っている?

 戦車はまさにドローンが狙う恰好の高価値目標です。狙われる戦車も、日傘や金網などを追加して防御を補完していますが、FPV自爆ドローンは小さな弱点を見つけてぶつかってくるので始末に負えません。ロシア軍は戦車の「威厳」を放棄して鋼板で車体をすっぽりと覆う、亀の子のような戦車を投入しています。

 M1が最初に戦場に投入されたと明らかにされたのは2月23日で、26日にはドローンによるとされる最初の損害が出ています。5月1日現在で供与された31両のうち5両が失われています。アメリカ陸軍の高官は「M1は強力だが無敵ではなく、長く戦場にいれば損害が出るのは当然で想定内のことだ」と述べています。

 ウクライナの国営報道機関ウクルインフォルムは、M1が前線から撤退したという報道を否定しましたが、同時に軍がどのような目的で、どこに何を移転するのかについては公にはコメントしないとも伝えています。そのうえで検証された情報のみを信頼するように呼び掛けています。

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ロシア国防省が3月20日に公開した、ドネツク州アヴディウカ付近で撃破されたM1エイブラムス戦車(画像:ロシア国防省)。

 西側戦車に対するウクライナ軍の公式に出された評価はありませんが、漏れてくる話をまとめると、

(1)重すぎる車体ゆえ悪路でも大馬力で無理やり動く。しかし動ける経路は限定され、損傷して動けなくなると回収も困難で結局減耗することになる。

(2)射撃性能は良い。「スナイパー」並み。

(3)対戦車戦闘用に造られているので、歩兵支援に使いにくい。「重くて嵩張るだけの対戦車自走砲」。

(4)部品供給が少なく整備が難しい。

とされています。

【写真】ロシア国民の前で見世物と化した「M1エイブラムス」

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