災難!「人気鉄道イベント」に2年連続ヘリ緊急出動 “撮り鉄”遭難にSL集団避難 トラブルも“棚ぼた”もダイナミックすぎる海外

筆者も巻き込まれた、山火事による帰宅難民

 この蒸気機関車が走った路線は、沿線に温泉保養地しかめぼしい観光地がなく、週末の午後には2時間に1本しか列車が走らないような田舎の単線です。そんなところで発生した山火事ですから、臨時列車の蒸気機関車が通過したのち、通常運行するはずの定期列車が全面運休になってしまいました。

 困ったのは、走り去る蒸気機関車を見送った後に定期列車で下山しようと思っていた鉄道ファンです。かくいう私(赤川薫)も小さな駅で蒸気機関車の写真を撮った後、巻き込まれてしまいました。

 私と同じように山中の小さな無人駅で取り残されたのはドイツ人の男性3人。チェコとの国境に近いこの辺りは週末にはバスも走っていません。地元の小さなタクシー会社も「早い者勝ち」ですでに出払っていて、捕まらず。辺りにはカフェやレストラン、ホテルなどの施設も一切ありません。「万策尽きた」とは、まさにこのこと。

「ヒッチハイクなんてしたことがない」などと言うプライド高きドイツ人男性3人。仕方がないので、私がやることに。しかし、いかつい男性3人をカルガモ親子のように背後に引き連れながら、黒髪を振り乱して「乗せてください」と手を合わせて懇願するアジア人女性(私)という、怪談にも出て来そうなご一行のために止まってくれる車はなかなか現れません。

「もうこのまま野宿か」と覚悟しかけた頃、ようやく一台の工事用作業車が止まってくれました。ヒッチハイクに成功した車中からは、鉄道写真を撮るための三脚や脚立などを携えて徒歩でトボトボと山を下りる人の行列が、延々と続いているのが見えました。

【壮観】煙モクモクのSL勢ぞろい これが「通常時」のイベント風景です(写真)

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