日本海海戦の戦艦「三笠」=“艦オタのワンダーランド” になっていた! リピーター続出 “歴史のスルメ” 的艦内!
日本の歴史を伝える貴重な「生き証人」
「三笠」は日本海海戦後の1912年に、佐世保港で弾薬庫の誘爆により爆沈してしまうのですが、引き上げから保存に至るまでには相当な困難があったと思われます。ちなみに艦内には保存を目的とした募金箱もあります。維持管理にも相当なお金がかかりますから、推し課金として「三笠」を応援してみるのもおすすめですよ。
右舷左舷の展示室は主に世界情勢や主な戦争のパネル展示になっています。長い文章を読むのが苦手なら、映像でガイドしてもらうことも可能です。艦尾は士官エリアとなっており、長官公室や士官室などは当時のまま残されているので、突然の赤絨毯に上品な木製の調度品が広がるエリアに入ると、一気にタイムスリップした気分になれます。
最後部には「三笠」の目玉の一つでもある長官公室と長官室があり、ぐるりと回ることができます。ここは天井にも装飾が施されていて豪華絢爛。室内には東郷元帥の遺髪も祀られていますので、より歴史の重みを感じられる空間でもあります。
このエリアでは長官室などに加え、とても貴重な当時の艦内の水回りである浴室も公開されています。レトロな洋風の佇まいは想像以上に清潔感がありました。比較として一般の兵隊たちの艦内生活の様子も写真パネルで展示されていて、身分の違いによる待遇の差が垣間見えます。
海上自衛隊の艦艇でも艦長室は豪華な作りで水回りも個室ではありますが、効率や防火面を重視し隊員の居住区と素材自体は大きく変わらないので、いかに昔の司令官たちが雲の上の人であったかを感じることができます。
このように記念艦「三笠」は、艦の内外に貴重な資料や展示品がこれでもかというぐらいあります。まさに、日本の歴史を伝える貴重な「生き証人」として、これからも大切に保存されることを願っています。
ちなみに、アメリカ海軍施設を横目に見ながら三笠公園から15分ほど歩くと、海上自衛隊横須賀基地とアメリカ海軍基地を一望できるヴェルニー公園に出ることができます。5月27日は日本海海戦記念日だったので、初夏の空気を感じながら横須賀をのんびり観光してみてはいかがでしょうか。
【了】
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。
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