「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか

今やコンパクトカーですら、小型車である「5ナンバー」の枠を越えて大きくなり、「3ナンバー」化するケースが増えてきました。実際、違いはあるのでしょうか。軽以外の小さな車の選択肢が縮まっています。

新型「フリード」も一部3ナンバー化

 2024年5月に先行予約が始まったホンダの新型「フリード」は、一部グレードが3ナンバー化したことが話題となっています。気づけば、コンパクトカーの日産「ノート」も派生の「ノートオーラ」は3ナンバー。ホンダ「フィット」でさえ、一部クロスオーバーグレードは3ナンバーとなっています。そういえば、小さなスポーツカーがウリだった私の愛車、マツダ「ロードスター」も3ナンバーです。いつの間にか、小さなクルマの3ナンバーが珍しくなくなっています。

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新型フリード。上のAIRは5ナンバー、下のCROSSTERは3ナンバー枠になる(画像:ホンダ)。

 3ナンバーと5ナンバーという区分は、クルマの大きさを知るための目安となります。エンジン排気量が2000cc以下、全長4700mm以下、全幅1700mm以下、全高2000mm以下が5ナンバー。それらのどれかひとつがオーバーすると3ナンバーになります。

 先に挙げた車種を含め、最近多いのが、車幅のみ1700mmを超えているという小さな3ナンバーです。ちなみに税金は、エンジン排気量によって異なりますが、3ナンバーになったから税金が高くなるわけではありません。

 しかし、昭和の時代は、もう少しシンプルで、「5ナンバーは小さいクルマで税金が安い」、「3ナンバーは大きくて高級で、エンジン排気量も大きいので、税金も高い」というのが常識でした。これが平成を経て、令和に至る間、徐々にクルマが大きくなっていった結果、車体サイズは3ナンバーだけど、エンジン排気量は2リッター以下というコンパクトカーが増えるようになったわけです。

 クルマが大きくなったのは、様々な理由が挙げられます。最も大きな理由は、見栄えの良さでしょう。単純にクルマが大きいほど、高くて立派に見えるもの。また、クルマが大きくなれば室内も広くなります。

 フルモデルチェンジで「良いクルマ」をアピールするのに、「先代よりも大きくなりました」ということは、大きな売り文句になります。さらに安全性という点でも、車幅が大きいほど、側方からの衝突に対して強くできます。

 見栄えが良くて、安全性が高い、しかも税額は一緒となれば、幅がほんの数センチ大きくなっていくのも不思議ではありません。そうした結果、気が付けば、コンパクトカーなのに3ナンバーというクルマが増えてきたのです。

【え、これだけ!?】ホントに少なくなった現行5ナンバー車種(全写真)

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