「飛行群司令」のお仕事って? 戦闘機部隊を支える“マネージャー” 飛行隊長との絶対的な違いは
飛行群司令と飛行隊長の違い
では、具体的に飛行群司令には、どのような役割が期待されるのでしょうか。これについて高倉1佐は「個々のパイロットが持つスキルの維持・向上」といいます。
「戦闘機にはミサイルなどの搭載武器をはじめとした、付与される各種任務を遂行するための様々な装備があります。これらを適切に使いこなし、いかなる状況下でも求められた任務を果たす操縦者を育て、その能力を維持、向上させるという責任を隷下各飛行隊等に果たさせるのが、飛行隊を預かる飛行群司令の一つの大きな役割だと思います」
隷下の飛行隊それぞれが戦闘機などを使用する能力が高いことはもちろんのこと、各々のスキルがより高いレベルで均質化するように、俯瞰で飛行隊や各パイロットの資質・能力を見て助言するのが、飛行群と飛行群司令の役割だということです。
航空団の上級司令部である航空総隊や航空方面隊を含め、航空自衛隊の第一線に立つ戦闘機パイロットは、必要とされるスキルについて一定のレベルが求められます。飛行群の隷下にある飛行隊パイロットの練度や能力を引き上げ、さらにそれを維持するためには飛行隊長含め「どのような動きをする必要があるのか、どのような教育訓練が必要なのか」と、客観的に見続けるのが飛行群司令の任務だといえるでしょう。
「個々の隊員の技量を伸ばすのは隊長で、飛行隊を組織として動けるようにするのが群司令の仕事です。上級部隊から航空団司令に付与される任務のうち、航空機の運用に関するもののほとんどは飛行群司令が実行の責任を負いますが、当然、現場でそれらを実行するのは各パイロットです。従って、各操縦者への能力付与だけでなく、彼ら彼女らと責任を分かつことができるような人間関係を組織的に作ることも、操縦者集団を預かる群司令の責務だと考えています」(高倉1佐)
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