「飛行群司令」のお仕事って? 戦闘機部隊を支える“マネージャー” 飛行隊長との絶対的な違いは
実際に戦闘機を操縦するのはパイロットですが、そのパイロットが所属するのが飛行隊、そして飛行隊をまとめているのが飛行群です。あまり表に出ることのない飛行群の役割について、那覇基地で飛行群司令に話を伺いました。
第9航空団を支える3つの「群」
航空自衛隊は、防空任務のために全国を4つのエリアに分け、それぞれに航空方面隊を置いています。なかでも最も新しく2017(平成29)年に発足した南西航空方面隊は、沖縄県の那覇基地に所在し、その隷下にはF-15J戦闘機を運用する第9航空団が編成されています。
主に南西諸島の防空任務を担当する第9航空団には、第204飛行隊、第304飛行隊および南西支援飛行班が所属していますが、航空団の隷下には「飛行群」と呼ばれる部署が設けられており、複数ある飛行隊を統括しています。
航空自衛隊の基地がメディアで取り上げられる際、航空団や飛行隊といった部署が紹介されることが多いのですが、飛行群はなかなかスポットライトが当たることがない、いうなれば「縁の下の力持ち的」存在の組織です。飛行群、そのトップである飛行群司令とはどういう役割を担っているのか、第9航空団の飛行群司令である高倉征宏 1等空佐に話を聞きました。
そもそも第9航空団には、飛行群のほかに「整備補給群」と「基地業務群」があり、これら3つの群と団司令部から航空団は構成されています。
第9航空団の飛行群では、第204飛行隊と第304飛行隊、そして南西支援飛行班という3つの飛行隊などに属するパイロットの管理を担っています。一方、整備補給群は、その名の通り航空機の整備とそれに関する燃料や弾薬、部品の補充、さらにそれらを支える車両や装置の維持・管理。そして基地業務群は、基地機能の維持を担い、施設や通信機能、会計や福利厚生、医務に関すること、さらには基地警備や防空などを、それぞれ担当しています。
3つある「群」のなかで飛行群が担う役割について、高倉1佐は次のように語ってくれました。
「航空団は、上級部隊である方面隊や航空総隊の計画や作戦に必要な戦力を提供する役割を持っています。第9航空団は戦闘航空団なので、保有する戦闘機を必要な戦力として提供することになります。なかでも飛行群は所属する戦闘機操縦者によって実際に戦闘機を運用するところです。平たく言うと『飛ばす』 部署であり、航空団という大きな槍の穂先に例えられると思っています」
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