その座席、実は超豪華! 驚きの移植「座席だけ名列車」たち ライバル私鉄が“夢の競演”している車両も!?
鉄道車両には、製造後に様々な理由で改装を受け、座席が交換されるものもあります。交換される座席は新品とは限らず、同時期に引退した車両の座席を譲り受け装備することも。今回は名車の座席を装備した現役車両を紹介します。
JR九州と北海道にも
■JR九州713系電車
国鉄が1983(昭和58)年に投入した、2扉セミクロスシートの近郊形電車です。1996(平成8)年の宮崎空港線開業に合わせ、車内がリニューアルされました。
リニューアル後は扉間の座席を、485系特急形電車の廃車発生品である回転式リクライニングシートに交換しています。これはいわゆる国鉄時代の簡易リクライニングシートではなく、JR化前後に換装された改良座席であり、座席背面のテーブルも使用可能です。
ロングシート部分もバケットタイプでヘッドレストを装備するなど、料金不要車両としては最高レベルのグレードとなっています。817系による置き換えで数を減らしているものの、宮崎地区で活躍を見せています。
なお、JR北海道のキハ54形気動車も、急行形仕様の3両は0系新幹線の転換式クロスシート装備で誕生したほか、特急形であるキハ183系や、789系電車1000番台のリクライニングシートに交換された車両も存在したようです。キハ54形も後継のH100形電気式気動車に置き換えられ、宗谷本線や留萌本線など、ごく一部でしか運行されていません。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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