「歴代イチ豪華な新快速」とは JR西日本初の自社設計、気合が違う! 今も古びない実力

221系はJR西日本が新快速用の電車として1989年より投入した電車です。3扉に転換式クロスシートという、現在まで続く新快速のスタイルを確立した名車ともいえます。実は歴代の新快速で最も豪華な車両でもあるのです。

新快速のスタイルを確立

 近畿地方はJRと私鉄の競争が特に激しいエリアです。画一的なサービスで知られた国鉄が、その末期の1970年代から80年代には「新快速」用として、後に登場した特急形185系電車とほぼ同等の接客設備を持つ、2扉で転換式クロスシートの117系電車を投入するほど、その競合は激しいものでした。

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221系電車(安藤昌季撮影)。

 国鉄を引き継いだJR西日本にとっても、琵琶湖線、JR京都線、JR神戸線、大和路線で競合私鉄よりも優位に立つための新型車両には、社運を賭けるほどの意気込みがありました。新快速用の新型電車221系は、当初は213系の続きとして「215」「217」といった番号にしようという動きがありましたが、JR西日本が初めて設計・製造した新型車両は「末尾を1から始めたい」ということで、221系となったほどです。

 歴代の新快速は「ブルーライナー」153系電車、「シティライナー」117系ともに2扉でしたが、221系は混雑への対応も考えて、3扉かつ転換式クロスシート車となりました。ほぼ同時期に登場したJR東海311系電車と並んで、現在まで続く新快速のスタイルを確立したわけです。

 3扉で転換式クロスシート車となったのは、当時最新鋭の近郊形であった213系の展望グリーン車クロ212形を手がけた近畿車輛より、前年に登場した近畿日本鉄道5200系電車で好評だった、連窓を備えた3扉の転換式クロスシート車を提案されたから。なお扉数を増やすにあたって、117系では車端部に設けられていた配電盤や機器箱などを極力床下に移設したり、先頭車両の側扉を運転台直後に設置したりするなどの工夫をしました。

 そうした工夫もあり、221系は座席間隔が2扉の117系と同じ910mmなのに、中間車両の座席定員は同数という驚異的な設計でした。

【!?】東京の品川駅に現れた新快速117系(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. 1ページ目
    >側扉に近い座席には、ラッシュ時以外で使える補助椅子も設置され

    3ページ目が「体質改善工事で現代的な装いに」のタイトルであることから、この1ページ目は登場時の仕様を語るような言いぶりですが、
    登場時(リニューアル前)は、221系に補助いすは設置されていません。
    登場時から補助いすが設置されたのは223系です。

    2ページ目
    >座席も、117系は側扉横の戸袋窓部分が固定式クロスシートでしたが、221系は扉間に転換式クロスシートを採用し、固定式座席のある部分では小テーブルを設置してサービス向上を図りました

    221系も、117系同様、側扉横の戸袋部分を含めた両端部分は固定式クロスシートです。