板橋名物「激低信号機」交差点 実は自転車で通ると「違反」!? 自転車の“ルールの矛盾”に困惑
交差点から“無くなったもの”も しかし昔から無理があった!
さらに、旧中山道に歩道は設けられておらず、道路の左側を走ることが必須ですが、ここでは横断歩道が道路の右側にあるため、厳密に“ルールを守って”この交差点に自転車で進入するのは困難です。
しかも、2017年ごろまでは、横断歩道に沿って「自転車横断帯」があり、歩行者用信号機には「歩行者・自転車専用」の補助標識も付いていました。その自転車横断帯に真っ直ぐ進入するには旧中山道の右側路側帯を走ってくるしかなく、昔から「構造がルール違反を強いている状態」でした。
現状でここは、自転車を「押して歩いて渡る」以外に、正しく横断する方法はなさそうです。
近年、「自転車は車道を走行」する原則が徹底されるようになって以降、車道を連続的に走行できるような環境整備が行われてきました。横断歩道に自転車横断帯があれば、そこを走行しなければならないと道交法で定められているため、自転車横断帯をなくしたり、車両用信号に従うために歩行者用信号の「歩行者・自転車専用」の補助標識を撤去したりしているのも、自転車が車道を連続的に走行できるようにする環境整備の一環です。
しかし、そもそも道路の設計時に「自転車は車両」という考えがなく、「歩行者と一緒に横断歩道を渡らせればいい」という考え方があったがゆえに、改めてルール上の整合性をとろうとしても、構造上、どうしても矛盾が生じてしまうケースがあります。そのひとつの例が、この「低すぎる信号機」の交差点に見られるのです。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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