伝説の珍兵器「パンジャンドラム」とは? 80年前の暴走“自爆ドローン”!? 本気だったのか欺瞞工作か
しかし致命的な欠陥が…
しかし、画期的と思われた「パンジャンドラム」をテストしてみると、致命的な問題があることが明らかとなります。なんと、直進できなかったのです。
試作機をイングランド南西部に位置するウェストワード・ホー!の砂浜で走らせたところ、砂で接地が不安定だったことと、高速で本体を転がすはずだった複数の筒状ロケットの出力がバラバラでうまく直進できず、横転してしまいます。
その後も改良とテストが続けてられていましたが、ロケットが離脱して見物している群衆を襲ったり、急に向きを変えて、見ている人のところに突っ込んできたりと散々な結果になり、“直線以外のあらゆる場所に転がっていった”という逸話を残すことになります。
テストが進むうちにグリップが安定しない砂浜で、しかも、ロケット推進で動く同兵器は、振動や衝撃を吸収することが困難で、真っすぐ走らせることは至難の業であることが露見したのです。
それでも諦めず、1944年1月には左右のほかに中央にも車輪を設置した3輪タイプの改良型「パンジャンドラム」をイギリス軍関係者が見守る中でテストすることになります。
この実験では、スタートこそ順調で直進はしたそうですが、しばらくするとやはりロケットが外れ、直進不可能となり、暴走した「パンジャンドラム」は炎上しながら付近のカメラマンや将兵に襲いかかり、危うく死者を出すところだったようです。この一件の後、同兵器は上陸作戦には使用できないということで開発中止となりました。
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