実はぜんぶ「農道」!? 埼玉の道路地図にまぎれた“隠れ快走路”3選 ICまでスイスイ 実質的な大動脈も
未開通の国道バイパスを補完する存在も
■稲穂通り
埼玉県内は「東西交通が弱い」というのがだれもが知る“定説”です。実際、地図を眺めても、県央から県北で東西を貫く主要道は、国道16号、国道125号、そしてその間にある高速道路の圏央道(国道468号)くらいしか見当たりません。
ところが地図では目立たなくても、鴻巣市と白岡市の間をショートカットするように走る、約14kmの農道があります。それが「稲穂通り(南北埼広域農道)」です。
鴻巣市側は国道17号「熊谷バイパス」の起点、箕田交差点に近く、熊谷バイパスからわずかな時間でアクセスできます。
白岡市方面へは、田園地帯をいくつかのカーブで縫うように走り、圏央道とも500mほどにわたり並行したのち、柴山沼公園の南を抜けて国道122号と交差します。そのまま走ると、白岡工業団地を抜け、東端となる県道3号さいたま栗橋線との交差点です。
信号が少ないことから、この間の所要時間は、日中でもわずか25分ほど。国道17号熊谷バイパスから国道122号を経由し蓮田市、岩槻市方面への、とても有用なルートです。
■みどりの道
埼玉県内の農道で、その距離、また短絡性においても「もっとも使える道」とされているのが、「みどりの道(大里比企広域農道)」です。起点は熊谷市の荒川大橋南側の「村岡」交差点で、上尾市の北、川島町まで約19kmを結びます。終点からは圏央道の川島ICもすぐです。
その特徴は、なんと言っても片側1車線ながらも、信号の少なさによるスムーズな流れ。全線にわたり規制速度40km/hですが、時間帯によって県道27号東松山鴻巣線との「下細谷」交差点で多少渋滞するくらいで、たいていは指定速度にほぼ等しく流れ、約30分で走り抜けることができます。
熊谷市は埼玉県北エリアの中心都市であり、さいたま市、上尾市、川越市などとのクルマの往来がさかんですが、さいたま市方面へのバイパスとなる「上尾道路」がいまだ未完成なこともあり、国道17号はつねに渋滞気味です。かといって関越道を利用しようとすれば、熊谷市街地と花園ICが離れていることもあり、アクセスルートとしては使いづらさがあります。
みどりの道は、距離的にはやや遠回りながらも、これら埼玉県の南北主要軸を結ぶ動脈として機能しています。
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さて、このように埼玉県内の交通に重要な役割を果たす農道ですが、その流れの速さゆえ、速度違反の取締りが頻繁に行われている地点もあります。
規制速度を上回るペースで走っても、一定の速度で流れる車列に追いつくのが通例です。「ゆっくり走っても早い道」という意識で、のんびり走ることを心がけましょう。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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