ウクライナもらってくれ!? 南米の大国が供与表明の“虎の子”攻撃機 ホントに使えるの?
ウクライナが「シュペル・エタンダール」欲しがるか?
2022年4月14日のロシア海軍黒海艦隊旗艦・巡洋艦「モスクワ」がウクライナ軍の地対艦ミサイル「ネプチューン」によって撃沈された一件からみるに、「シュペル・エタンダール」と「エグゾセ」の組み合わせは現在も有効な兵器だと言えるでしょう。
また対地攻撃に関しても、「シュペル・エタンダール」は赤外線前方監視装置を搭載し、レーザー誘導爆弾による夜間精密爆撃も可能であるため、近代的な攻撃機としての能力も備えています。さらに空対空ミサイル「マジック」を搭載できるため、正面切って戦闘機をやりあうことこそ不可能であるもののドローン迎撃ぐらいであれば十分すぎる能力をもっています。
このように見てみると、「シュペル・エタンダール」は極めて古い亜音速攻撃機ですが、使い方次第では戦力として有用なようです。しかし、ウクライナへ意義のある供与を行うためには、いくつか問題があります。
まず、2024年6月現在アルゼンチン海軍が保有する「シュペル・エタンダール」は2019年に調達したフランス海軍の中古機5機しかないという点です。
ウクライナ空軍には、すでにF-16と「ミラージュ2000」戦闘機を各国合わせて約120機供与することが決定しており、わずか数%の増強のために整備やトレーニングのための新たな体制を作り上げる負担を受け入れることは、コストパフォーマンスを鑑みると、あまり良いとはいえません。
また、保有する5機は飛行可能な状態にありません。これは機体の問題ではなく「シュペル・エタンダール」の射出座席がイギリス製であることに起因するものです。
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