「戦車にもなる」「負傷者も運べる」実はほぼラジコン!? 変幻自在の「ロボ車両」戦場を変える? 陸自はどう使うのか

戦場で無人車両が活用されつつあります。ウクライナでは最前線で負傷した兵士を助けに行っていますが、兵装を施せば無人戦車にも。陸上自衛隊も同様の無人車両を導入する見込みですが、どう活用するのでしょうか。

最前線へ「行ってきて」「運んできて」ができる

 ウクライナ国防省は2024年5月、同国経済産業省および国軍参謀本部と共同で、負傷兵や病人を前線から安全な後方へ輸送する担架型UGV(無人車両)の実証実験を行ったことを明らかにしました。

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兵装した戦車型UGV(画像:ミルレム・ロボティクス)。

 実証実験で使用されたUGVはタイヤで走行する装輪式と、履帯(いわゆるキャタピラ)で走行する装軌式で、両タイプとも遠隔操作により走行するようです。まだ実際の戦闘には使用されていないようで、ウクライナ国防省としては、この実証実験が開発と量産の資金を集めるためのアピールの場も兼ねていると見られます。

 このUGVの開発が継続し、量産に移行するのかは未知数ですが、ウクライナ軍は既に負傷者や病人を後送するUGVを使用しています。その一つがエストニアのミルレム・ロボティクスが開発し、同社からウクライナの慈善団体に寄贈された「テーミス」(THeMIS)です。

 一般論として、前線から負傷者を担架に載せて後送する場合、1名の輸送につき2名以上の人員が必要となります。また前線に医療器具などを輸送する際にも、輸送する物資の大きさ次第ではやはり1名以上の人員が必要になります。

 後送を担当する人員は一時的に前線を離れることになるため、その分、部隊の戦闘力は低下します。また、過去の紛争では負傷兵の後送や医療器具などの輸送にあたる人員が敵の襲撃を受け、負傷兵だけでなく、その救命を行うはずの軍医が命を落とすという事例も少なからず発生しています。

 いかにして人手をかけずに負傷兵を安全な後方へ輸送するのかは万国共通の課題で、タイ陸軍のように、UAV(無人航空機)で負傷兵などの後方への輸送実験をしている軍隊も現れています。

 ただ、UAVでの輸送は実際に乗る(運ばれる)負傷兵の心理的な抵抗が大きく、タイ陸軍の担当者はそれが実用化への課題の一つだと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)に語っていました。

【え…】無人車両で運ばれる負傷兵/無人ドローンで運ばれる負傷兵(写真)

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