「このくらい厳しくていいんじゃないか」 悪質電動キックボード利用者“強制退場” LUUP“違反丸見え”新制度で健全化へ

「このくらいの対処をしてもいいんじゃないか」

 LUUPはアカウント取得時、利用に関する交通ルールを端末で学習し、その習得度を測るテストで全問連続正解しなければ利用ができないという前提ですが、このまま特定小型原付のイメージが悪くなっていけば、その教育効果そのものが疑われてしまうことになります。

「一部の悪質な利用者が、非常に目立ちます。しかも、悪質な利用者は、たまにやっちゃうとかじゃないんですね。走行している10分20分の間、ずっと悪質な違反を繰り返す。そうすると、それを町中見ちゃうので、他のちゃんと交通ルールを守っているユーザーが危ないようだと勘違いされてしまう。(事故にならなくても)その行為そのものが安全を阻害する、町にとって邪魔な行為であるということで、ループとしても、もしくは代表の岡井としても、より厳しく一切の余地なく対処していこうと考えております」(岡井氏)

 特定小型原付の交通違反の減少、たとえば車道から歩道への乗り入れで起きる「通行区分違反」や「信号無視」などの抑制も同社では期待します。この2つの違反は、特定小型原付の交通違反全体の約9割を占めます。

「意図せず誤って違反をしてしまった方も、この点数制度があることで、より緊張感を持って交通ルールを把握して、覚えてもらえるように。安全に乗っていただいている利用者の皆様にも、もしかすると永久に乗れなくなる可能性が常に横にあるという緊張感を持って乗っていただくことで、結果として、無事故無違反で安全に乗っていただくように促していける」(同)

 新たな特定小型原付のカテゴリー創設を定めた道交法改正施行から1年。法改正を働きかけてきたリーディングカンパニーの決断は、免許不要、16歳から乗れる気軽な乗り物であっても、運転者と他人に危害を加える可能性があることを改めて強調したものになりました。岡井氏は全体の説明をこう締め括りました。

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着実に利用を伸ばすLUUP。すでに政令都市以外でもサービスが提供されている(中島みなみ撮影)。

「人に危害を加える可能性があるモビリティという領域で、かつ法律が大きく変わった直後の黎明期であるという点から、このぐらいの対処をしてもいいんじゃないか。警察等と協力しながらこのような対処を始めていこうと思っております」

 無免許、16歳から乗車可能な特定小型原付2年目。利用者の交通ルール違反に、厳しさが増しています。

【了】

【強制排除】違反しまくった人のスマホ“こうなります”(写真)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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2件のコメント

  1. 政治家の利権案件なのでやめるわけにはいかないだろうがこのような弥縫策では改善につながらないだろう。

  2. あんなものを許可した政治家は間違いなく裏で賄賂を受け取っているはず