「歩道走れないの?」「免許不要だと思った」「灯火ない方がカッコいい」…ペダル付原付の取締りで見た“ヤバさ”
ペダル付原付、通称モペットで、交通ルール無視の利用が都市問題になっています。利用者にとっても無免許、無届で乗り続けると「過失」ではすまない深刻な事態を招きかねず、警察も厳しい対応で臨んでいます。
歩道走れません ファットバイク風車両
ペダル付原付、通称モペット。時代の変化に敏感なエリアを中心に急速に利用が増えてきました。東京都心では、渋谷を中心として明治通り沿いを南北に、北は原宿方面、南は恵比寿方面で利用が広がっています。ネット通販だけでなく今まで車両の取り扱いがなかったファッション系のショップでも、店頭にペダル付原付を展示する様子が見られるようになりました。
なかでも注目されるペダル付原付は、頑丈なフレームに、バイクでいうガソリンタンクの位置にバッテリーを搭載したファットバイクです。20インチ相当のブロックタイヤはモトクロスバイク並みに太く、そのスタイリングが異彩を放ちます。利用者の一人は「楽で軽い。乗ってるスタイルがいい」と話します。
ただ、利用の拡大に比例して、その運転に歩行者からの苦情も増えてきました。交差点で信号待ちをしていた歩行者は、ペダル付原付(モペット)の印象をこう話しました。
「歩行者の間をジグザグに走ったり、歩行者がいっぱいだと車道に出て、また歩道に入ったり。スピードも速いし大きいから、ぶつけられそうで怖いですね」
歩道は歩行者が通行するのが原則ですが、一部の区間は自転車が走ることができます。対して、ペダル付原付は自転車ではないので、基本は歩道を走ることはできません。それが電動キックボードのような特定小型原付に該当するものだったとしても、ファットバイクの歩道走行は不可です。
なぜなら歩道走行が許される自転車は車幅60cmまでの「普通自転車」です。ファットバイクの多くは車幅が「普通自転車」の基準におさまらないため、スロットルがなく、走行性能がアシスト自転車なみだったとしても、車格の点で歩道を走ることができないのです。
ペダル付原付は、モーターの付いた「自転車」ではなく、ペダルの付いた「バイク」です。歩道を走ることは、道路交通法の指定通行区分違反です。ペダル付原付を「アシスト自転車だと思った」と思って乗っていても、歩道は走らない。必ず車道を走ることが違反を回避する最初のポイントです。
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