【空から撮った鉄道】貨物駅が“ほぼビル”になった! 激変する「梅田」 ビル群の陰に鉄道の記憶を探す

大阪駅の北側にあった梅田貨物駅の跡地は、「うめきた2期」再開発事業として大規模開発中です。8か月ぶりに空撮すると、ビルと公園が竣工間近となり、この場所が貨物駅であったことが過去のことになりつつありました。

この記事の目次

・先行街開きまで数か月
・辛うじて残っていた梅田貨物線は…
・消えていく鉄道の記憶
・ビルの谷間に列車を探して

【画像枚数】全14点

先行街開きまで数か月

 うめきた2期再開発事業は、2013(平成25)年3月に廃止となった梅田貨物駅の跡地を整備し、2020年に着工しています。再開発地区は「グラングリーン大阪」の名称となり、北街区+うめきた公園+南街区と、3つのエリアに分かれた街が誕生します。

 先行まち開きは2024年9月。先んじて、5月29日にグラングリーン大阪は先行街開き100日前を迎え、まだ完成形ではありませんが、うめきた公園では芝生広場などが公開されました。全体のまち開きは3年後の2027年春を予定しています。

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大阪駅の大屋根を手前に、一足先に開発された「グランフロント大阪」と、建設中のうめきた2期の敷地。気がつけば大阪駅の周りは高いビルばかりになった。10数年も経てばターミナル駅も変わってくる(2024年5月22日、吉永陽一撮影)。

『空から撮った鉄道』では数回に渡って、うめきた2期再開発事業を紹介してきました。過去記事はこちらです。今回の記事とあわせてご覧いただくと、開発状況が分かってきます。

 さて、このような鉄道施設の再開発を空撮しながら、ときどき疑問に思うことがあります。鉄道施設だった場所が街となっていく過程を撮り続け、「鉄道の空撮をテーマに撮影しているはずなのだが、ビルや再開発の工事箇所がメインになってきたぞ」と。そう思うほどに、眼下の再開発は鉄道施設だったことが薄れていき、大きな街として再生しているのです。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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