「オイ違う車両挟まってるぞ」明らかに取って付けた扉… なぜ国鉄・JRは一時期“魔改造電車”ばかりだったの?
ここまでパーツを使い回すのか!
地方都市部のエースとして期待された417系・713系ですが、逼迫した国鉄の財政状態では新車の製造は難しく、結局、以降の増備は見送られてしまいました。そこで、冒頭に紹介した419系・715系という寝台特急からの「魔改造車」も編み出されましたが、依然として、これら地方都市部では急行形電車が近郊輸送を支えていました。
とはいえ輸送改善はやはり急務。そこで国鉄は、417系・713系のような2扉クロスシート車の導入を決定します。しかしすべてを新規に作るのではなく、同区間を走っていた急行形電車の床下機器、冷房装置などをできる限り再利用。他系列の廃車発生品も流用しコストを削減していました。ボックスシートや網棚なども再利用されており、使えるものはなんでも使って製造されていました。
こうして1986(昭和61)年に誕生したのが、交直両用近郊形電車の413系と、交流近郊形電車の717系でした。
413系は北陸エリアに3両編成11本、717系は仙台エリアに3両編成(0番台・100番台)10本が、そして東九州・南九州エリアにも2両編成(200番台・900番台)8本が投入され、近郊輸送に貢献しました。九州エリア用の717系900番台は、なんと急行形だった種車の車体すらも流用し、中間に両開き扉を増設して3扉化した珍車でした。
なお両系列ともに、2024年現在、あいの風とやま鉄道とえちごトキメキ鉄道に譲渡された413系以外は、すべて引退しています。えちごトキメキ鉄道では、種車がかつて塗っていたローズピンクとベージュの塗色に変更されて運用しており、交直両用急行型電車の面影を今に残しています。
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