「ナナメ前が見えづらい!」そんなクルマがなぜ増えたのか 未だに続く改善の試行錯誤
“ナナメ前の視界”どう改良?
しかし、徐々に「ドアミラーは“ナナメ前”が見えにくい」ということに、自動車メーカーも気づきます。早いものだと1990年代後半くらいから、そして2000年代に入るといくつかの自動車メーカーが工夫を始めます。Aピラーの剛性を保ちながら断面形状の工夫などで視界を確保したり、ドアミラーの形や配置を工夫するなどし始めたのです。
分かりやすい工夫は、ドアミラーをAピラー付け根ではなく、そのやや後方、ドアそのものに移動することです。これによりAピラーとドアミラーの間に隙間ができて、“ナナメ前”が見やすくなります。ドアミラー側の根本を細く、長くして、Aピラーから距離を置くという手法もあります。
また、Aピラーそのものの位置の変えるのも効果的です。2015年に登場した現行型「ロードスター」はAピラーをドライバー側に近づけることで、“ナナメ前”が見やすくなっています。
そうした工夫を、新型「フリード」でも、忘れずにやっていますよ! というのが、今回の発表資料の説明だったのでしょう。
クルマの格好の良さは、売れ行きを左右する、非常に重要なファクターです。それでも、安全・安心なカーライフのためには、“ナナメ前”が見やすいにこしたことはありません。クルマを買うときは、ぜひとも“ナナメ前”の見やすさもチェックすることをお忘れなく。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。
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