新型戦車? いいえ「レオパルト2」です! 攻撃力も防御力も大幅向上「ひょっとしたら売れるかも!?」

防御力アップも無人砲塔で可能に

 前述したようにRC 3.0では、それまで砲塔内に居た車長と砲手が、操縦手と共に車体に乗り込みますが、3名を収容するエリアは強固な装甲で守られているため、被弾時に乗員が負傷する可能性も従来より減っているとのこと。これに伴い、車内もレイアウトを変更することで戦車としての防御力も向上しているそうです。

 KNDSの資料によれば、乗員防護に伴うレイアウト変更によって、従来の戦車と比較した場合、脆弱とされる部分が約30%も削減されたといいます。

 ただ、乗員が車体に集約されたことで、これまで砲塔内で車長と砲手が行っていた様々な操作や作業を、RC 3.0では車内から遠隔で行う必要があります。たとえば、砲手はコンソールを通じてリモートで索敵や射撃を行います。そういったことを鑑みると、RC 3.0の砲塔は実質的には巨大なRCWS(遠隔操作兵器ステーション)だと言えるでしょう。

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「レオパルト2 A-RC 3.0」を正面から見たところ。車内に乗員を移したため、車体前部は従来の「レオパルト2」から変更が加えられている(布留川 司撮影)。

 一方、車長は従来の戦車で一番見晴らしの良い部分に陣取り、各種視察装置やセンサーを駆使するほか、場合によっては自ら砲塔の外に出て、肉眼で状況を把握して任務を遂行していました。

 それが、RC 3.0では砲塔上部のセンサーターレットや、車体各部に付けられたカメラとセンサーを通じて、車外の様子を知ることになります。複数のセンサーによって得られた情報は、車内のコンピューターによって情報が統合され、目視よりも優れた状況認識能力を発揮すると担当者は説明していました。

 なお、多くの情報を集約することで逆に車長が情報過多のオーバーワークにならないよう、状況に応じてAIアルゴリズムが情報の選別も行ってくれるそうです。

【砲塔のアップも】新モデル「レオパルト2 A-RC 3.0」を前後左右ジックリ見る(写真)

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