新型戦車? いいえ「レオパルト2」です! 攻撃力も防御力も大幅向上「ひょっとしたら売れるかも!?」
レオパルト2採用国に提案することも
こうして見ると、RC 3.0は新技術がふんだんに盛り込まれた次世代戦車のように思えます。しかし、ヨーロッパ各国では将来の戦車について、もっと先の進化を見据えているため、RC 3.0はその間隙を埋めるための中継ぎ的な存在のようです。
2024年7月現在、フランスとドイツは共同で次世代戦車を開発する「MGCS(陸上主力戦闘システム)計画」を進めています。ただ、そのスケジュールは遅れており、実際に配備されるのは2040年代だと言われています。また、その頃には戦車という概念自体が大きく変化している可能性があり、KNDSではその繋ぎとなる現行戦車の延長上にある新型車両を開発している模様です。
今回のユーロサトリ2024では、このRC 3.0以外にもフランスの主力戦車「ルクレール」の発展型「ルクレール・エボリューション」が展示されていたほか、ドイツのラインメタル社も新戦車KF51「パンサー」を出展していました。すなわち、MGCS計画前の暫定戦車の座を狙って、様々なモデルが静かなアピール合戦を繰り広げていたとも言えるでしょう。
なお、RC 3.0の場合、ベースとなった「レオパルト2」を採用した国は世界中に数多く存在するため、MGCS計画とは別にそれら現行の「レオパルト2」運用国に対して、アップグレードキットや更新車両として提案することも可能です。
こうして見てみると、RC 3.0は、「ルクレール・エボリューション」やKF51「パンサー」よりも多くの潜在的なユーザーがいることから、ひょっとしたらコンセプトモデルとして終わらず、量産モデルが登場する可能性も低くないのかもしれません。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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