日本一? 超~遅いスピードで走る「黒子の列車」とは なぜ遅い?「これが仕事だよ!!」

列車の安全運行を担う保線車両のひとつに「削正車」があります。ただ、そもそもレールを削る必要はあるのでしょうか。実はとても重要な役割があるそう。ゆえに次世代モデルも登場しています。

文字通り「黒子」の車両

 多くの人が寝静まった頃合いを見計らって、火花を散らせながらレールをゆっくりと舐め回す、奇妙な列車が夜な夜な走る。しかもその姿を見た者は稀――いかにも夏の風物詩、「怪談話」のように聞こえますが、実は線路を維持する保線車両のひとつ、「削正(さくせい)車」のことです。

 同車は、ほとんどの場合、終電が走り去った後の深夜に動き出すので、一般人の目に触れる機会があまりないのも無理はありません。

 では、どんな役割を担っているのかというと、それは読んで字のごとく、レール頭部を削って補正することです。

Large 20240721 01
JR西日本の削正車(画像:JR西日本)。

 風で運ばれた砂埃や、スリップ防止のために列車の車輪に吹きつけた砂などがレール表面に乗り、その上を重い列車の鉄輪が転がると、わずかながらレール上にクラック(傷)ができてしまいます。

「太くて丈夫な鉄製のレールだから、びくともしないのでは」と思いがちですが、実はレールはとてもデリケートです。

 列車が走れば、巨大な荷重が鉄輪を通じてレールにかかります。このとき、下方向にレールを曲げようとする力、いわゆる「曲げモーメント」が生じ、さらにこの圧力で鉄分子も擦れて、発熱します。

 その一方で、列車が通り過ぎると、今度はレールが元に戻ろうとするほか、「鉄冷え」と言われるように急速に冷めていきます。

 これを繰り返すと、やがてごく小さなクラックをきっかけにしてレールに亀裂が入り、最悪の場合、線路が破断して脱線事故を引き起こす事態にもなりかねません。

 また、そこまで至らなくともデコボコのレールでは乗り心地が悪くなるだけでなく、鉄輪とレールとの摩擦係数も大きくなるので、列車のエネルギー効率(燃費)も低くなります。

 こういったことを防ぐのが削正車の務めなのです。ただ、少々ユニークなのが、作業能力を示す単位が、「頭(とう)」である点です。

【おぉ、自力で乗り降りしてる】これが「コスパ良し!」な次世代レール削正車です(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス