イギリス「次期戦闘機やめます」報道は過剰反応か? 波乱だらけの国際開発 “最悪のシナリオ”を回避するには

イギリスの政権交代により、日英伊による次期戦闘機の共同開発計画「GCAP」が方針転換する可能性が出てきました。実際どのような影響が考えられるのでしょうか。

「わが国主導で」開発は現実的ではない

 日本は2018年12月に、F-2後継機を「国際協力を視野に、わが国主導で開発する」という方針をいったんは発表したものの、この時点で国際協力の主眼と位置づけていたアメリカが協力に消極的な姿勢を示したことから、GCAPへの参加に舵を切ったという背景があります。

 時間とお金をかければGCAPから脱退して、当初の方針通り「わが国主導で(戦闘機を)開発」という方針に立ち返ることもできなくはないと思いますが、現在の日本はF-2を開発していたころとは比べものにならないほど経済的に弱体化しており、「わが国主導」で現在運用しているF-35を超える第6世代戦闘機を単独で開発することは、現実的ではありません。

 アメリカと新型機の共同開発も困難な状況で、早期に第6世代戦闘機を入手できる、ほぼ唯一の道がGCAPだと思います。

 なお、GCAP の主契約企業のひとつであるBAEシステムズは7月21日、イギリスで開催中のファンボロ―国際航空ショーにGCAPの新たなコンセプトモデルを展示しました。

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アメリカのロッキード・マーチンなどの協力で三菱重工が開発したF-2(画像:航空自衛隊)。

 GCAPを空中分解させないために、日本はこれまで以上の努力が必要になると思いますし、イギリス、イタリア両国が望んでいると報じられている、サウジアラビアの加盟といった、日本からすると「妥協」にしか見えない選択肢についても、より真剣に検討していく必要があるとも思います。

【了】

【計画は進行中!】これが、新たに公開されたGCAPのコンセプトモデルです(写真)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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