【空から撮った鉄道】ここまで鉄道を「埋める」のか!? 築堤だけではない ビルと人工物に覆われていくJR品川・高輪〈前編〉

『空から撮った鉄道』では度々、品川駅と高輪地区の再開発を紹介してきました。2022年に高輪築堤の発掘調査が終了したあと、23年にかけては一帯の様子が劇的に変化。ビルと人工物に線路が“埋もれて”いく光景は圧巻です。

この記事の目次

・プロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY」始動
・出土後、いったん埋没させた高輪築堤
・品川駅も激変 “京急の顔”は消滅
・【ギャラリー】まるで雨後の筍! 建設中のビル群を見る

【画像枚数】全18点

プロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY」始動

 日本初の鉄道が通った品川駅は、田町車両センターの跡地を活用して「品川開発プロジェクト」の大規模開発が進行しています。JR山手線と京浜東北線が東側へ移動したのち、2020年3月には高輪ゲートウェイ駅が開業。いよいよ山手線の跡地を更地にして、再開発事業が本格的に始動すると、地中から日本初の鉄道の痕跡「高輪築堤」が出土し、鉄道史に残る大きな出来事となったのは記憶に新しいですね。

 高輪築堤の出土によって、開発地域のビルは設計変更し、一部の築堤は現地保存となりました。2022年夏に高輪築堤の記録保存が終了すると、1~4街区まで分割されたエリアで建設が開始され、プロジェクトは「TAKANAWA GATEWAY CITY」と命名されました。

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品川駅を底辺にして開発状況の全体を俯瞰して撮影した。2022年6月の段階ではまだTAKANAWA GATEWAY CITYの基礎工事が始まった段階(2022年6月、吉永陽一撮影)。
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高輪ゲートウェイ駅を田町駅方向から見る。駅が開業して長らくこのような姿であったが、建設工事が開始されると掘削機など大型重機が活躍し始め、基礎工事がたけなわとなる(2022年6月、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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