【空から撮った鉄道】河川敷に並べられた電車!? 東京メトロ車両基地 他社線内を“間借りしてます”【後編】

東京メトロは都心部を中心に9つの地下鉄路線を営業していますが、車両基地は必ずしも自社線内にあるとは限りません。地下に検車区のある南北線を除き空撮してきたので、後編では東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、副都心線を紹介します。

この記事の目次

・延伸区間に車両基地がある東西線
・綾瀬駅から先、入出庫線を旅客化
・飛び地のような鷺沼車両基地
・空撮しづらい和光&新木場の両基地

【画像枚数】全18点

延伸区間に車両基地がある東西線

 東京メトロの車両基地を空から見たらどんな姿でしょうか。前回に引き続き後編として東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、副都心線を紹介します。

 まずは東西線です。中野~西船橋間30.8kmを結ぶ東京メトロ最長の路線で、都内だけでなく千葉県にも線路を延ばし、日比谷線に次いで他社線と相互乗り入れを実施した路線です。中野以西はJR中央線(総武線各駅停車)と、西船橋以東は東葉高速鉄道ならびにJR総武線各駅停車と相互乗り入れを行っています。車両基地は深川車両基地と深川検車区行徳分室の2か所です。

Large metros 01

拡大画像

深川車両基地は江東区塩浜の埋立地にある。右にカーブしている高架橋はJR京葉線、黄色い車両(キヤE197系)が留置されているのがレール輸送基地となっている越中島貨物駅。その左隣に深川車両基地がある。敷地内左手の青屋根が深川工場だ(2023年9月5日、吉永陽一撮影)。

 東西線は東京オリンピック開催と同じ年の1964(昭和39)年、高田馬場~九段下間が開業したのが始まりで、さらに5年の歳月を経て中野~西船橋間が全線開業しました。部分開業当初、東西線内には地下に飯田橋検車区がありましたが工場併設の車両基地はなく、国鉄三鷹電車区、日比谷線の千住検車区と竹ノ塚検車区(現・千住検車区竹ノ塚分室)を使用していました。

 東西線内に車両基地が設置されたのは、1967(昭和42)年の東陽町延伸時で、江東区塩浜の越中島貨物駅のすぐ北側に深川車両基地が開所しました。

Large metros 02

拡大画像

東西線の車両は深川車両基地が稼働するまで検査業務や収容場所を転々とし、相互乗り入れ先の国鉄三鷹電車区(現・JR東日本三鷹車両センター)では飯田橋検車区三鷹出張所を設けて検査を実施していた。三鷹車両センターには三鷹駅止まりの東西線車両が留置されている(2024年4月10日、吉永陽一撮影)。
Large metros 03

拡大画像

低い高度から撮影した深川車両基地。撮影年が古いので京葉線には武蔵野線の205系が走っており、越中島貨物駅はまだレール輸送用貨車のみ。深川車両基地も05系が全盛である(2012年4月9日、吉永陽一撮影)。

残り2643文字

この続きは有料会員登録をすると読むことができます。

2週間無料で登録する

Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

最新記事