「外国の方が運転しています」ステッカー 見かけたら“警戒”すべき、これだけの理由
ステッカーを見かけたら、エリア全体を警戒すべき
しかし「法律により運転が認められていること」と、「日本の交通環境でも運転できる技量を持っていること」は別問題です。そのため、レンタカー会社はステッカーにより、周囲のドライバーに注意を促しているわけです。
では、自分がクルマを運転していて、これらのステッカーが貼られたレンタカーを目にしたとき、どうすればいいでしょうか。
まず重要なのが、急ブレーキや急な方向転換に備え、十分な車間をとることです。
私たちが知らない土地で運転するのと同様に、日本で運転する外国人旅行者も、その日本の道路に詳しいわけではなく、また言語の問題も含め、道路標識や案内看板への理解不足は避けられません。
最近はスマートフォンのカーナビアプリにより、“地理不案内”へのサポートは充実してきましたが、それでも「標識の意味がわからない」「案内看板の英語表記が近づくまで読めない」といったケースは十分にあります。
加えて海外では「クルマは右側通行」が主流で、多くの外国人旅行者は不慣れな「左側通行&右ハンドル」を強いられます。それだけでも、運転に余裕がなくなることは、容易に想像できます。
駐車場に停めるときも、こうしたステッカー付きのクルマの隣はできるだけ避けたほうがいいでしょう。
日本では「バックして駐車、前進で出発」が主流ですが、アメリカなど土地の広さに恵まれたエリアでは「前進して駐車、バックで出発」が一般的なところも少なくありません。駐車スペースの左右幅、駐車場内通路の幅が狭い日本の駐車場で、バックでの出発に手間取れば、左右のクルマに接触する可能性が高くなります。さらに右側通行の国のドライバーには“慣れない側”になる縦列駐車の場所は、いっそうの注意が必要でしょう。
なお公益財団法人 交通事故総合分析センター(ITARDA)のまとめによると、訪日外国人の「観光・娯楽目的のレンタカーの相対事故率(2014-2018年)」は、日本人の2.5に比べ13.8と相対的に高く、その様態も「出会い頭」「右直」事故の割合が高いことが明らかになっています。これについては、ステッカーの有無の確認で避けることはできません。
外国人旅行者の多い地域でハンドルを握るときは、やはりふだん以上に周囲の状況に目を配り、慎重な運転が求められると考えるべきでしょう。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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