創設以来の大改編!? 海上自衛隊「70年の歴史ある大部隊」が次々消滅! 佐世保&呉の地方隊にもメス

機雷戦よりも水陸両用戦を前面に

 防衛省は2025(令和7)年度の概算要求で、これら護衛艦隊と掃海隊群を統合し、地方隊に所属していた艦艇も組み込んだ水上艦隊の新編を明記しました。自衛艦隊の下に置かれる水上艦隊は第1から第3までの3個水上戦群と水陸両用戦機雷戦群、哨戒防備群などで構成されます。

 4つの護衛隊群が3つの水上戦群に再編されることにより、1つの水上戦群に所属する護衛艦が増えるため、その中で任務、訓練、整備といったローテーションを効率的に回していくようになるでしょう。また、哨戒防備群には日本周辺海域の警戒監視を通常時から長期間にわたって行う艦艇として導入が決まった哨戒艦が配属するとみられます。

 この組織改編は、2023年12月に決定された現行の中期防衛力整備計画(いわゆる中期防)に基づいて進められています。同計画では「統合運用体制の下、高い迅速性と活動量を求められる部隊運用を持続的に遂行可能な体制を構築するため」として、基幹部隊の見直しと改編が明記されていました。

 このような抜本的な組織再編を行うことで、統合任務部隊を運用する自衛艦隊司令部などの継戦能力の向上を図るとしています。前出の護衛艦と掃海艦艇を一元管理する水上艦艇部隊への改編は、その一環といえるでしょう。

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護衛艦隊集合訓練で広島県の呉基地に集結した大小さまざまな護衛艦(画像:海上自衛隊)。

 防衛力整備計画ではおおむね10年後をめどに、護衛艦と掃海艦艇部隊で構成された水上艦艇部隊を6個群21個隊体制へと見直し、護衛艦は54隻(このうちDDG、いわゆるイージス艦は10隻)、イージス・システム搭載艦2隻、哨戒艦12隻を配備することを掲げています。

 すでに横須賀地方隊の第41掃海隊は2024年3月に解隊されており、「えのしま」は函館基地隊の第45掃海隊へ、「ちちじま」は掃海隊群の第1掃海隊に編入されています。また、大湊地方隊は2024年度末に横須賀地方隊と統合し、北海道所在部隊を除いて大湊地区隊(仮称)となります。海自初の艦種となる1900トン型哨戒艦4隻の建造契約も今年2月、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)と結ばれました。

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