自衛隊の災害派遣「受け身型」から「提案型」へ! 転機はどこに? 自治体の負担軽減に寄与も

自衛隊の災害派遣のやり方が従来とは大きく変わろうとしています。その根底には、派遣要請を出す地方自治体のキャパシティーが、職員数や経験によって大きく異なるというのがあったそうです。

自治体の大小で救援内容に差が出ないように

 この「提案型」災害派遣は、あくまでも自衛官が5000名以上参加する大規模災害時に限定されるとのことですが、各省庁からの情報を集約した自衛隊が率先して支援内容を提案し、自治体から了承を得られれば、すぐに行動できるようにすることで、被災地や該当住民に対して迅速に救援の手が差し伸べられるようにしたという点で、特筆すべきものです。

 この提案型が功を奏するシーンとして考えられるのが、自治体の災害対処レベルに関わらず、被災者に自衛隊の支援がダイレクトに実施されるという点です。これなら、役所の規模、職員の得手不得手に関係なく、日本全国どこであっても、同じスピードで支援が受けられるようになるため、自治体からすれば歓迎すべきことでしょう。

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2024年8月、大雨被害の災害派遣により愛知県蒲郡市で活動する陸上自衛隊豊川駐屯地の隊員(画像:陸上自衛隊)。

 自衛隊の災害派遣は経験を積むたびに進化し、より柔軟な運用ができるようになってきました。

 しかし、その災害派遣も、当初は「従たる任務である災害派遣に深入りするのは良くない」との旧軍関係者による声もあったそうです。しかし、先見の明があった吉田 茂内閣総理大臣(当時)によって、1951(昭和26)年の「ルース台風」に対する出行(当時の災害派遣の呼び方)が許可されました。

 

 それから70年あまり。このときに地域住民のために動いたことが、今も続く災害派遣の実績とノウハウに繋がっているのです。

【了】

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Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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