見た目カッコ悪っ… 古~いりゅう弾砲を無人車両に載せて「新・自走砲」!? ロシアの意図は

自走ロボット砲兵は実現するのでしょうか。ロシアの兵器展示会で試作の無人地上車両が披露されました。国営企業も開発に携わったようですが、それは半世紀以上前のりゅう弾砲を載せた、やや不格好なものでした。

国ほか国営企業も開発に携わる

 展示されたUGVはD-30を“取って付けた感”があり、いかにも試作品然で見た目のカッコ悪さは否めません。特別な名称もなく単に「MTS-15クレバーのD-30」と呼ばれているだけです。しかし、ロシア国防省ミサイル・砲兵総局(GRAU)や国営ロステック社が開発に関与しており、ただの実験的なベンチャー製品ではないことは確かです。

 このUGVと旧式D-30の組み合わせにはいくつかの意図があると考えられます。第一に、旧式ながら大量に保有するD-30を再活用し、低コストで省力化された自走砲システムを開発するという点です。第二に、無人兵器技術の開発を進めるための研究ステップであり、将来的な発展を見据えた技術実証段階にあるという点です。外見のカッコ悪さはさておき、ロシアがUGVを兵器として本格的に導入するための試金石となる可能性があります。

 この、いかにも試作品的な自走砲がそのままロシア・ウクライナ戦争に投入されるとは思えませんが、タス通信によれば試験場でのテストは完了しており、「より実戦的な状況化でテストするため特別軍事作戦地域へ送られる」として、ウクライナ戦線に持ち込まれることが示唆されています。現在進行形の実戦は、様々なデータを収集する絶好の機会なのです。

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ロシアが配備を始めたばかりの2S43マルバ152mm装輪自走りゅう弾砲。ウクライナ戦線にも投入されている(画像:ロシア国防省)。

 ドローンという新しいファクターの加わった戦場では、新しい戦法が必要になってきています。このUGVも実戦経験の中から生まれた新しい兵器といえるかもしれません。現在のドローンの発達ぶりを見ると、近い将来に自律ロボット砲兵システムが開発される可能性は充分にあります。現在の見かけだけでこのUGVを評価してしまうのは危険です。

【了】

カッコ悪い? これが展示された「自走砲」です

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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