「新京成線」はなぜあんなに曲がっているの? 京成になるし、真っすぐにすれば?←これでも「直線化」してきたんです
改良してもなお「ぐねぐね」
上記のような他の鉄道では見られない特殊な経緯により、新京成線は急曲線が多い線形となりましたが、二和向台(ふたわむこうだい)-初富間、五香-常盤平間、みのり台-松戸新田間など数か所で線形改良(直線化)を実施しています。それでも今なお路線はぐねぐねしており、運転最高時速も85km/hに制限されています。
なお新京成電鉄で現在使用している車両は8800形、8900形、N800形、80000形ですが、すべて「8」がつくことにお気づきでしょうか。過去に存在した800形・8000形も、8で始まる形式を持っていました。
800形の登場まで、新京成電鉄の車両は京成電鉄から譲渡された「お古」がメインだったのですが、800形は新京成電鉄としては初となる完全自社発注車だったこともあり、縁起の良い「末広がり」の8を形式に充てたといいます。以降、新京成電鉄ではこの数字を形式に用い続けています。
そのほかにも新京成電鉄の車両には、ドア付近に鏡を備えているという特徴があります。これも、長らく続いている同社の伝統です。
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新京成電鉄新京成線は、京成電鉄に合併後「京成松戸線」へと名前を変えますが、運賃やダイヤに変更はないとリリースされています。ただし車両に関しては、新京成電鉄のコーポレートカラー「ジェントルピンク」塗装から京成電鉄に合わせたカラーリングに変わっていくとのこと。車内の鏡も、京成電鉄ではどのように扱っていくのかも気になります。
車両のみならず駅のサインなども含め、新京成電鉄としての姿を記録に残せる時間は、そう長くはなさそうです。
【了】
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれの自動車・鉄道系イラストレーター/ライター。雑誌、WEB媒体で連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。クルマは商用車や実用車、鉄道ではナローゲージや貨物、通勤電車、路面電車、地方私鉄などを好む。
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