「なぜ軍用車はガソリン車少ないの?」燃料の特性上ヤバい至極当然な理由とは やっぱりディーゼル!!

とにかく燃えやすいことが問題!

 ただガソリンエンジンを戦場で使う場合、デメリットも多くあります。代表的なものは、引火し易いという点です。ガソリンは可燃性の蒸気が発生する「引火点」と呼ばれる温度がマイナス40度とかなり低く、ゆえに地球上のどこでも火元があればすぐに燃えます。

 そのため、被弾時に燃料タンクに引火すると爆発を伴う火災が発生し、多大な被害が生じやすいといった問題があるだけではなく、状況によっては歩兵やゲリラの使う火炎ビン攻撃でも、車両全体が炎上してしまう欠点を含有していました。

 また当時の戦車用ガソリンエンジンはかなり燃費も悪かったと言われており、ただでさえ引火の危険のある中、戦場で頻繁に給油する必要がありました。

 一方、ディーゼルエンジンに使う軽油では、引火点が60度から100度とかなり高く、攻撃を受けて燃料が漏れだしても、ガソリンほど簡単には燃えません。

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日本のハ号こと九五式軽戦車もディーゼルエンジン搭載戦車だった(乗りものニュース編集部撮影)。

 そしてこのディーゼルエンジンを用い、他国に先駆けて第二次大戦中に卓越した高性能を発揮した戦車が、ソ連製のT-34です。燃えにくい燃料に加え高出力のエンジン、さらに傾斜装甲により防弾能力も高く、幅の広い履帯(キャタピラ)を用いた走行能力にも優れていたため、当時の交戦国だったドイツに大きな衝撃を与えました。

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